プロ野球選手は女性にモテるに決まっている
そして、そんな彼らを目の前にしたとき、私はいつも直感的にこう思ってしまう。
この人たち、女にモテるんだろうなあ……。
正直、これはもう動物のオスとしての圧倒的な敗北感と言っていい。彼らはたとえ顔立ちが端正でなくとも、今風のオシャレでなかったとしても、全身から発する肉食のオーラによって女心を強烈に引きつけてしまうような気がしてならない。偏差値だとか知識だとか教養だとか思考力だとか弁舌力だとか、そういう人間ならではの知能要素をいくら磨いたとしても、絶対に勝てないであろう動物強度。それがムンムンと匂い立っているのだ。
これで財力もあるのだから、そりゃあモテるに決まっているでしょう。以前、某テレビ番組の中で乙武洋匡さんが「プロ野球選手の合コンお持ち帰り率は半端ない」という趣旨の発言をしてネットニュースになったことがあったが、あれ、私もめちゃくちゃ共感できます。人間なんてしょせんは動物なんだから、最終的には強さが物を言うのだ。
かくして私のような小柄な文化系男性は、外野の片隅から畏敬の念をもってプロ野球選手を眺めることしかできない。そもそも私は気が弱いのだ。普段、屈強そうな大柄男性と対峙した場合、まず私が心がけるのは「この人を怒らせないようにしよう」である。
だから、「野球とメシ」というテーマになると、私はプロ野球選手のいろいろな意味での肉食ぶりや、それに伴う敗北感が脳裏をぐるぐる巡って、無念の溜息をついてしまう。なにしろ、福留なんて40歳で20代後半の美女にモテる男なのだ。例のニュースは早くも風化してしまったけれど、私自身は彼の動物強度に圧倒されたままである。
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