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2017/05/13

今週の「忖度」発言と、おなじみ法相の珍答弁

籠池泰典 森友学園前理事長
「しっかりした方が後ろ盾にいらっしゃるなとお役人がわかってたんじゃないですか」

TBS『NEWS 23』 5月9日

籠池元理事長 ©時事通信社

 まだまだ続く森友学園問題。「まだ続くの?」とウンザリしている向きも多いと思うが、何もかも一向に明らかにならないのだから仕方ない。

 新証拠と新証言は続々と出てきている。森友学園前理事長の籠池氏は朝日新聞のインタビューに答え、「安倍晋三記念小学校」との校名を記した設立趣意書を2013年に財務省近畿財務局に出したと明らかにした。安倍昭恵首相夫人と建設予定地で撮影した写真も示し、支援を受けていると説明したという(朝日新聞 5月9日)。

 籠池氏はTBS『NEWS 23』のインタビューにも応じており、昭恵夫人とのやりとりを逐一財務省側に伝えていたと語っている(5月9日)。また、籠池氏は昭恵夫人や安倍首相らの携帯番号を示しながら国有地取得のための交渉を行い、昭恵夫人との写真を見た近畿財務局の担当者はコピーを取って「上司に見せる」と発言したとのこと。

 これらのことについて質問された財務省の佐川宣寿理財局長は、国会で「私ども国有財産の管理処分を行うにあたって学校側にどういう方がいるかは関係なく、法令に基づいて適切に管理処分を行っているということでございます」と回答。まさに“忖度に証拠は残らない”を地で行っている。

 怪人・籠池氏の語っていることがすべて事実とは限らない。元TBS政治部長の龍崎孝氏も「これは一方の当事者の言葉」と断りを入れている。ならば、もう一方の当事者が事実を語らねばならない。安倍首相は8日の衆院予算委員会で、昭恵夫人の国会招致について改めて拒否する姿勢を見せた。昭恵さん、ゴールデンウィーク中はずっとゴルフしていたっていうのに……。事実が明らかになる日はあるのだろうか?

金田勝年 法相
「一般人は刑事告発をされても捜査の対象にならない」

朝日新聞 5月9日

金田法相 ©石川啓次/文藝春秋

「共謀罪」についての審議も続いている。「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法の改正案について、自民、公明両党は18日の衆院本会議で採決する方針を固めた。審議の継続を求める野党の反対を押し切ってでも採決を強行する構えだ。そんな中、審議中に「私の頭脳で対応できなくて申し訳ありません」と答弁して話題になった金田法相から、8日の衆院予算委員会でまたよくわからない答弁が飛び出した。

「一般人が捜査対象になるかどうか」は「共謀罪」法案をめぐる審議での最大の焦点だが、政府は一貫して「一般人は捜査の対象外」と強調してきた。しかし、民進党の逢坂誠二氏に一般人が刑事告発された場合に捜査対象になるかどうか質問された金田法相は、政府見解に引きずられて捜査実務と矛盾する答弁となった。

 ここで言われている「一般人」については、保坂展人世田谷区長の解説がわかりやすい(ハフィントンポスト 5月10日)。金田法相は「一般の人は、組織的犯罪集団との関わりがあることは考えがたい」と言ってきた。言い換えると「組織的犯罪集団との関わりがある人は、一般の人ではない」ということになる。つまり、「一般人」でも「組織的犯罪集団との関与」が疑われた時点で「非・一般人」となるので、「一般人」が捜査対象になることは100%ないと言い切れるのだ。はっきり言って詭弁である。野党は金田法相の不信任決議案を出すことも検討している。