「あの人、実はゲイらしいよ」

 もし、あなたの職場でこんな噂が流れてきたら…。誰であっても、自分のプライベートに関することを好き勝手に噂されることは、気分のいいことではないですよね。とくにその内容がセクシュアリティに関する話だった場合、問題はさらにセンシティブになってしまいます。

 実際、こういう噂が原因で職場で居心地の悪さを感じてしまったり、アウティングやいじめに繋がってしまったりするケースはたくさん起きてしまっています。「ただの噂ばなし」が現実に誰かの居場所を奪ってしまっているのです。

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 誰かのセクシュアリティについておもしろおかしく噂ばなしが流れる、そんな環境ではたして安心して働くことができるでしょうか?

 そこで今回、パレットークで「職場で性に関する噂ばなしが流れてきときにできること」を考えてみました。

 まず漫画で紹介したシチュエーションでは、噂ばなしであるという以外にも無意識の偏見によって起きている問題点がありました。

 たとえば「イケメンなのにもったいない」という発言。こういう発言がされてしまうのは、「本当に大切な同性と一緒にいるよりも異性と付き合う方がいい」と無意識に考えているからかもしれません。だけど本来なら異性愛と同性愛でどちらが劣っている、ということはないはず。異性愛を当たり前とする無意識の偏見を意識できるといいかもしれません。

 次に「俺も狙われないようにしなきゃw」という発言。こちらは、いまだによくバラエティ番組や創作物の中で見られます。はたして「ゲイ男性ならば、すべての男性を好きになる」のでしょうか。「異性愛の女性ならば、すべての男性を好きになる」とは限らないのと同じで、セクシュアリティがゲイであっても、好きになるタイプは人それぞれ。無意識の偏見で、誰かのセクシュアリティを笑いのネタにするのは、その相手だけでなく、それを見ている人のことも傷つけてしまう可能性が高いのです。