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英語が苦手でも働きやすい国がある

 その頃ちょうどインドネシアに住んでいる友人もいたので、インドネシア事情を聞いたところ「ご飯も口に合うと思うよ!」とのことで、ますますインドネシア熱が高まります。一度も行ったことがないのに。

 とりあえず、スタッフさんに目ぼしい求人の紹介を依頼しました。

 とは言え、インドネシアだけで仕事を探すのも無謀なので、広く東南アジアで探すためにも、DODAの「アジアで働きたい方のための個別相談会」というものにも申し込んでみました。

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「どんな国が向いているか」「就業後のキャリアパスは」といった疑問に答えてくれるそうなので、情報収集にうってつけの場です。

「相談会」と銘打っていますが、地方在住者は電話でやりとりできるそうなので、私は電話でお話を伺うことにしました。

 担当者は、これまた女性で、声の感じから40代くらいでしょうか。台湾勤務の経験もあるという方でした。 

 私がすでにインドネシアの事情は知っていると話すと、東南アジア全般の事情を説明してくれました。

 私にとって国選びの最大のネックは、やはり英語。

「シンガポール、それに香港は、日本でもつねに英語を使っていたというレベルでないと厳しいです。次にマレーシア、インドネシア。こちらはビジネスレベルを求めるところが多いです。そしてベトナム。こちらは『これから勉強します』という方でも大丈夫です」

 私のTOEICの点数では、マレーシアとインドネシアは一部応募できる企業があり、ベトナムは問題ないという状況のようです。

電話でマンツーマンで相談できる ©キヨシマ

すっかり忘れていた年金のこと

「待遇面ですが、現地採用になると厚生年金と社会保険はありません。医療保険は、現地の病院に通えるものに入るのが一般的ですが、日本に一時帰国したとき、保険証がありません」

 あ~! そっか~! 

 健康保険のことは調べていましたが、年金のことは考えていませんでした。年金……もらえるかわからない年金……。でも今までちゃんと払っている年金……。

 これまで給料から天引きだったので意識しておらず、今回の職探しでも完全にその存在を忘れていましたが、大切なことです。特に、手取りの給料がガクッと下がりますから、帰国後にまとめて払うにしても1万円、2万円の重みが変わってきます。

「将来につながる仕事」という視点

「こういう職種で仕事を探したい、などはありますか?」

「そうですね、やはり今までの経験が生かせるライターや編集がいいかなと。日本語フリーペーパーの編集なんかが語学力も不問でいいのかな、と考えています」

「フリーペーパーは、どうしても日本人に関わる仕事だけになるので、現地情報に疎くなります。日本に帰国した後の職探しを考えるとあまりおススメは……」

 一理あります。日本に戻るかどうかなんてまったく考えていませんでしたが、日本で欲しいのは、現地の日本人コミュニティの情報ではなく、現地人と商売するための情報です。

 語学力やこれまでの経験から、「できる仕事」ばかり考えていましたが、「将来につながる仕事」という意識も大切です。そういう視点が欠落していました。

 考えると面倒なことを、気づけば「聞きたくない情報」としていて、向き合うことを避けていたのかもしれません。

「聞きたくない情報」をキチンと教えてもらえたのはよかったです。心の中でありがたや、と拝みながら求人の紹介をお願いし、通話を終えました。

キヨシマの転職活動メモ
一、「聞きたくない情報」を教えてくれる人を大切にすべし。

 ※この連載は、新聞記者として5年働いたキヨシマによる、「脱力系」転職活動記です。書かれていることは全て現在進行形のノンフィクションです。