原発が制御不能になる最悪のシナリオも
北朝鮮は2014年に韓国の原発事業者をサイバー攻撃している。韓国で23の原発を運営する韓国水力原子力発電に大規模なサイバー攻撃を仕掛けたのだ。事業計画書や実験データなどが盗み出され、同時に原発3基を即時停止するよう要求したという。幸いなことに、韓国の電力の3分の1を担う原発そのものには被害が及ばなかったとされる。
そんなことは日本では起こらない、というのは楽観的すぎるだろう。すでに北朝鮮のマルウェアが各所のシステムに潜伏している可能性もある。もしそうだとすれば、攻撃者の望むタイミングで、原発のオペレーションを不正操作するなどして日本に大きなダメージを与えることもできるはずだ。欧州のあるサイバーセキュリティ専門家は、最悪の場合、サイバー攻撃によって原発の電源が喪失し、原子炉が制御不能になるといったシナリオも十分にあり得ると筆者に語っている。