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【ロッテ】柴田講平が振り返る古巣・阪神での「落球」の思い出

交流戦 指名対決 テーマ「ロッテ−阪神の因縁」 文春野球コラム ペナントレース2017

2017/05/31
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いざ、古巣・タイガースとの対戦へ

 交流戦が始まった。マリーンズの最初の相手は柴田の古巣・タイガース。やはり柴田は虎党からの「あの時の選手」という目と向き合わないといけない。それでも背番号「00」は胸を張る。決して過去の弱い自分から目をそらさない心の強さがこの男にはある。

「特別な感情はないです。見返してやろうとかそういうのはない。マリーンズの一員としてタイガースに全力でぶつかって、勝つだけ。それに貢献をしたい。その想いだけですよ」

 タイガースを戦力外となった時、「後悔のないように生きよう」と自分に誓った。そして運命に導かれ、マリーンズに入った。千葉は大学時代を過ごした地。そして本拠地ZOZOマリンスタジアムは4年の春季リーグ戦に2試合を行い、3打数3安打、2打数2安打と結果を出した場所だ。振り返るとプロ初本塁打もここ。13年の交流戦で今はチームメートの阿部和成から本塁打を放った。不思議な縁に導かれ、ここに戻ってきた。交流戦を前にしたタイミングで一軍に昇格し最初の相手が古巣であることも縁だ。

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 大きな挫折を味わったことがある男は強い。そして奥が深い。これまで私もいろいろな選手と会い会話をしてきたが、その選手を成長させてきた体験は決して成功談ではないといつも感じる。人を成長させるのは失敗や屈辱。一番の思い出を問われ「落球です」と力強く答える柴田に、それを確信した。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

※「文春野球コラム ペナントレース2017」実施中。この企画は、12人の執筆者がひいきの球団を担当し、野球コラムで戦うペナントレースです。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/2731でHITボタンを押してください。

対戦中:VS 阪神タイガース(山田隆道)

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