新大久保に行くと鶴橋を思い出します
――松本さんには上野駅のような“故郷を感じる場所”ってありますか。
松本 そうですね……故郷とは違うかもしれませんが、新大久保に行くと大阪の鶴橋を思い出したりします。ごちゃごちゃした感じとか。ただ、私は大阪なので人混みとかには慣れてました。でも東京のティッシュ配りの方の勢いにはびっくりしました。無理やり投げつけてくるような感じで、ちょっと怖いです(笑)。
――地元は大阪のどちらなんですか。
松本 堺です。古墳だったり、与謝野晶子の出身地でも有名なのかな。あと刃物。刃物の生産でも有名なんですよ。すぐに難波とかにも行けるし、地元でもなんでも揃うし、だから東京とのギャップもあまり感じなかったです。でもギャップがないって言えるのは澄子の生きていた時代との差、ですよね。同じように上京しても、今とはいろいろなことが違いすぎるなと思います。
――澄子を演じてみて時代の変化、違いがわかるってことなんですよね。
松本 澄子たちの故郷を思う寂しさとかも、正直今の私の感じるものの比じゃないんだと思います。澄子は複雑な家庭事情ですし、大好きなおばあちゃんは字が読めない。だから手紙を書いても読んでもらえないのかなとか。そうなると寂しさのレベルは違うんですよね、きっと。でも、私も寂しいなと思うことはあるから、そういうところは澄子ともリンクさせられたらと思ってやっています。
兄にはLINEもあんまり送らないですね(笑)
――松本さんは家族に手紙を書いたりしないんですか?
松本 手紙が来たら何事かってびっくりするんじゃないかな(笑)。家族にはLINEはするけど手紙はまだ書いてないですね……。8歳上の兄がいるんですけど、兄にはLINEもあんまり送らないですね(笑)。いつ結婚するんだろう、とか思ったりはしてるんですけど。
――最後に、今後の演技以外での目標を聞かせてください。
松本 友達づくりです……。高校の同級生とかもほとんど大阪の地元志向で、東京にまだあんまり友達がいないんです。でも『ひよっこ』で一緒になった子とお茶に行こうみたいな話はしています。いろいろお仕事をさせてもらって、徐々にいろんな人と出会うようになって、これからはちょっと友達づくりにも励んでいきたい。カラオケも友達と行ってみたいです(笑)。
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まつもと・ほのか/1997年生まれ。大阪府堺市出身。主な出演作品に映画『青空エール』(16年)、『MATSUMOTO TRIBE』(17年)、主演舞台『ヨミガエラセ屋』(16年)、テレビドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』『ひよっこ』など。
写真=鈴木七絵/文藝春秋