松坂大輔を巡り、ドラフトでも横浜と競合
日本一奪還ならず、で意気消沈していた西武ファンが溜飲を下げたのが、シリーズ後に行われたドラフト会議。この年の目玉は「超高校級投手」の横浜高校・松坂大輔でした。西武のフロントは夏前までは別の選手を1位候補として調査していましたが、夏の甲子園での優勝シーンを見ていた堤義明オーナー(当時)の「鶴の一声」で方針を変更。日本ハム、横浜と競合しましたが、抽選で交渉権を獲得しました。
しかし、松坂にとって西武は意中の球団外で交渉は難航し、社会人入りの可能性もありました。社会人ならば3年でプロ入りが可能で、進学すると4年かかります。結局、日数はかかりましたが「(監督の)東尾さんがピッチャー(出身)でしたので決めました」と決断し入団が決まりました。
もし、監督が野手出身だったら西武入りは見送られていたかも知れません。これも「運」といえるのでしょうか。私なりの勝手な解釈ですが、この年の日本シリーズが逆の結果でしたら、ドラフトの抽選も違う結果になったのでは、と思いました。私の尊敬してやまない野球の神様は粋な結果をもたらしてくれたものです。
この年以降、西武は3度日本シリーズに出場しましたが、相手は巨人が2度で中日が1度。あれから19年が経ちました。球団名が「DeNA」と変わっても「ベイスターズ」はそのままです。いつになったら「98年の借り」を返せるのでしょうか。
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対戦中:VS 横浜DeNAベイスターズ(西澤千央)
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