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遺されたテープ。家族の不可解を真正面から描いた名作

 俳優のウィリアム・H・メイシーが監督した『君が生きた証』(14年)。働き盛りの広告マンのサム(ビリー・クラダップ)は、大学で起きたスクールシューティングにより、息子のジョシュを亡くします。ショックから隠遁生活に入ったサムですが、彼がある日手に入れたのは、ジョシュが生前残していたデモテープ。サムは、ジョシュらしい繊細な曲に誘われるように、飛び入りOKなライブをやっている飲み屋を訪れます。彼の歌とギター演奏は客たちの胸を打ち、次第にサムの噂が広がっていくのでした。

©2014 Rudderless Productions LLC. All Rights Reserved.

 我が子が亡くなるという出来事自体の苦痛とともに、その理由も家族の心を苛んでいくものです。サムはその思いを歌うことで、生前うまく向き合えなかった息子の心境と同一化して、理解していこうとします。ジョシュの残した才能は、サムから受け継いだのだとわかる、サムの思いがけない素晴らしい歌唱。彼の歌に惚れ込んだ青年クエンティン(アントン・イェルチン)は、サムにバンドをやろうと声をかけます。

 クエンティンを演じたアントン・イェルチンは、昨年不慮の事故により、27歳の若さでこの世を去りました。このような理由で、見返すのが何重にもつらい映画ですが、未見のかたはぜひ、この後の展開はDVDか、劇場での再上映でごらんください。家族のつらさを真正面から描いた作品です。

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君が生きた証

DVD発売中
3900円(税抜)
発売/販売元 ハピネット   
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歩いても歩いても

DVD発売中
3800円(税抜)
販売元/バンダイビジュアル
©2008「歩いても 歩いても」製作委員会