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スルーできない自民党重鎮の「失言」、石川県知事の「兵糧攻め」発言

河村建夫 自民党・元官房長官
「かわいそうだ。男性の衆院議員なら、あんなのはいっぱいいる。気持ちは分かる」

産経新聞 6月22日

河村建夫元官房長官 ©共同通信社

 さりげなく失言が飛び出した。自民党の河村建夫元官房長官が、豊田氏の暴力行為を容認した上、「あんなのはいっぱいいる」と証言してしまったのだ。また、「あんなもんじゃすまない」とも発言したと報じられている(朝日新聞 6月23日)。自民党の男性代議士の間では、もっと激しい暴力行為やパワハラが日常茶飯事ということなのだろうか?

 さらに河村氏は「録音して(週刊誌に)持ち込むなんてあり得ない。いくらパワハラがあったとしても、選挙をやる者なら怒る」と語っているが、そもそもパワハラ自体が許されないこと。パワハラや暴力を受けても泣き寝入りしていろというのだろうか?

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 後に河村氏は自身のフェイスブックで「私の不用意な発言がいらぬ誤解を生み、発言を取り消させていただく」と発言を撤回したが後の祭り。自民党の男性衆院議員には豊田氏を上回るほどの暴力とパワハラをふるう人が「いっぱいいる」と人々の記憶に刷り込まれてしまった。今後もこのような告発が相次ぐのだろうか?

谷本正憲 石川県知事
「北陸電力志賀原発を狙う暴挙をするなら、兵糧攻めにして北朝鮮の国民を餓死させなければならない」

時事ドットコムニュース 6月21日

谷本正憲石川県知事 ©共同通信社

 豊田氏の騒動で霞んでしまった感がある谷本石川県知事の物騒な問題発言。21日、金沢市内で行われた県町長会の総会にて行われた発言だ。

 その後、取材に対して谷本氏は、「北朝鮮にはとんでもないリーダーがいる。北朝鮮国民を生活困窮に追いやれば内部から崩壊する。国民が痛みを感じる制裁を加えないといけない」と説明している(朝日新聞 6月22日)。最初の一文はまったく同感だが、後半部分は理解できない。人を人とも思っていないのだろう。

 なお、翌日には「人命は尊重されなければならない」として発言を撤回した(産経新聞WEB版 6月22日)が、何を今さらという感じがする。なお、志賀原発は、原子力規制委員会の有識者調査団によって「直下に活断層」があると指摘されている(毎日新聞 2016年3月3日)。北朝鮮のミサイルも心配だが、地震も心配だ。さっさと廃炉にしたほうがいいと思う。