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筒香の成長をこれからも一緒に歩むことができる

 そういえば2009年ドラフト。投手陣が壊滅していた状況の中、ベイスターズはドラフト前に高卒野手である筒香の指名を公言していた。その際、当時の堀井チーフスカウトは、「フロントも替わって、地元横浜に密着していこうという、その第1弾。筒香君は長打力もあるし、村田の後の次世代としてとりたい」というコメントを残している。チームの主軸として、キャプテンとして、横浜の顔として育っていった筒香は、DeNA体制になってからのベイスターズのシンボルとなった。

 そんな筒香がベイスターズから旅立つ。筒香とともに強くなってきたチームなだけに、筒香がいなくなった喪失感、戦力的な痛手は今年嫌というほど痛感するだろう。ただ、そんなことを一緒くたにしても、僕は筒香のメジャーリーグ挑戦は楽しみでしょうがない。

 ともに歩みを始める前に飛び立った大家。ともに歩んだが、すっかり成長して飛び立った佐々木。ともに歩み、成長して最後の夢と送り出した斎藤隆。

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 筒香はいずれも違う。昨年残した打率.272本塁打29本打点79という数字は悪い数字ではないが、筒香のポテンシャルはこんなもんじゃない。

 ともに歩み、新天地で更なる成長を期待できる存在。

 そういう意味では、筒香の成長をこれからも一緒に歩むことができる。ベイスターズ優勝という夢とともに、筒香のメジャーリーグでの成長と活躍という二つの夢を今年は追う。今年シーズンが始まってから幾度となく『筒香がいれば……』と思うだろうが、それを充分ペイできる楽しみが待っているのではないかと今では僕は前向きに思っている。横浜の空高く、ホームランをかっ飛ばして来た筒香が、今度はタンパベイの空高く、ホームランをかっ飛ばす。メジャーリーグの試合は、日本時間では朝に行われる。筒香の活躍を聞いて気持ちよく1日を始められる幸せは、今年からの醍醐味となる。

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