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「ドア・イン・ザ・フェイス」というテクニック 

 交渉術の教科書に出てくる「ドア・イン・ザ・フェイス」というテクニックもあります。これはいったん過大な要求をし、拒否されたら、より妥当な(本来期待する落とし所に近い)要求を出し、それを認めさせるものです。以下のようなイメージです。

売り手「この中古車は優良なものですから、売価は500万円といったところでしょうか」
買い手「それは無理ですよ」
売り手「では清水の舞台から飛び降りたつもりで、400万円でどうでしょう」
買い手「(大幅に値引きしてくれたことだし、まあいいか)」
売り手「(これは期待通りの価格で売れそうだ)」

 つまり、実際には400万円は適正な価格ではないのですが、買い手は「500万円から大幅に値下げしてくれた」ことに借りを感じ、購買という形で応えなくてはいけないと錯覚してしまったのです。

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