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謎の釣竿を、実際に使っていただいた

―― 釣竿? ですか、そこに立てかけられているのは。

植田 これね。これはこうやって……

これね
こうやって
狙いをつけて……
ピッ

植田 床暖房のスイッチを入れるの。

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―― 机の周りが、アナログなんだけどシステマチックですね……。しかし、ずっとこちらで座り仕事ですから、腰に相当くるんじゃないですか?

植田 机の上に台があるでしょう。だから、上半身がぶら下がるような感じで机に向かっているんですよ。すると、腰にこないことがわかった。

 

アイデアは、ここに座らないと出てきません

―― お邪魔しました。ありがとうございました。この後は、またお仕事ですか。

植田 今日はこれから晩ご飯作ります。いい気分転換になるんですよ。

―― 料理しながらだと、アイデアも浮かびそうですね。

植田 いや、浮かばないです。アイデアは、ここに座らないと出てきません。その辺に立っててふっと浮かんだものなんて、当てにできないんですよ(笑)。出すぞ、と思ったときに出さないとダメです。

―― あ、そこにグローブが置いてありますね。

 

植田 たまにやりたいんですけどねー、買ったはいいけど暇がなくて。

 

―― 学生のときのポジションはどこだったんですか?

植田 外野とピッチャー。だから、たまには外出て使いたいんだけどねえ。

 

うえだ・まさし/1947年、東京生まれ。中央大学文学部哲学科卒業。82年、第28回文藝春秋漫画賞。2016年、日本漫画家協会賞大賞。作品に「コボちゃん」「かりあげクン」「おとぼけ課長(現・おとぼけ部長代理)」「フリテンくん」など。現在も年間1100本余りの四コマ作品を描き続ける。

写真=鈴木七絵/文藝春秋