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仕事場初潜入!「その釣竿、何に使うんですか?」 “4コマ漫画の巨匠”植田まさしロングインタビュー #3

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496冊目のアイデアノートの中身を特別に公開!

2017年5月3日から使っている496冊目のアイデアノート

―― このノートは何ですか?

植田 アイデアノートです。これが496冊目。

 
 

―― 1ページが8コマに分割されていますから、2本分のアイデアをここに下書きされて……。

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植田 いや、そうでもないんですよ。思いついたところをササッて描いて、竹やぶから連想で、タケノコ、かぐや姫、パンダ、虎ときて、虎のしっぽを踏むというのでなんかできないかと考えたんだけど、いいのが思いつかなくて、ここでやめてます。

 
「タケノコ、かぐや姫、パンダ、虎ときて……」

―― 起承転結の4コマではなくて、ただ便宜上8マスに分けているだけなんですね。

植田 まあそうですね。自分に馴染んでいるからやりやすい。

コボちゃんは15秒で生まれる

「これは下書き用紙です」
目から描き始めて15秒
あっという間にコボちゃんとミホちゃんが描かれた

―― 目から描くんですね! (15秒くらいでコボちゃんが完成) 目から描くというのも、やはり自己流?

植田 だって人が描いているの見たことないんだもん。誰かの仕事場に行って、描いてるところ見たいんですよね。あと道具とか、何使ってるのかとか、興味あります。

―― 愛用のペンはこちらですね。

 

植田 1万円の万年筆です。ペン先が大きくて柔らかくて勝手がいいんです。ペン先は自分でちょっと改造というか、作っていましてね。Gペンやスプーンペンよりインクもちもいいし、長持ちする。1本で5、6年はもちます。

「植田まさし」というペンネームになったワケ

 

―― そういえば先生のペンネームはどうして「植田まさし」なんですか?

植田 ああ、「ちょんぼ君」でデビューした時は「まち・あみち」っていう名前でやってたんですけどね。

―― まち・あみち?

植田 私、本名が「まさみち」っていうんです。で、それを速く言うと「マチァーミチッ」ってなるから「まち・あみち」。でも、売れてきて、この名前じゃあんまり良くないなって思い始めていたら、編集者から「じゃあ、さも昔から漫画家としてやっていました、っていう名前にしましょうよ」って提案されたんです(笑)。それで苗字が「植松」なんですけど、田んぼにしちゃえと「植田」。まさみちだから「まさし」。