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2000回を超えた静穏な表紙
この加計問題や松居一代、千葉の老人ホームでおきた睡眠導入剤混入事件などを今週号は報じる。ひとがひとであるがゆえに引き起こす醜聞・艶聞・事件を伝える、文春に限らず、それが週刊誌の役割だ。
そんな中味とは裏腹な、和田誠の静穏なイラストの表紙、このギャップも文春の魅力か。
和田誠のイラストは先週号で2000回に達した。40年をかけての偉業である。そこで始まったアンコール企画で、今週号の表紙には過去の傑作として1978年4月20日号のものが用いられている。
39年前のものでありながら、知らないとそうだと気づかない、古びることのないイラストである。
「どんな聖人も一皮むけば金と女と権力」
長期にわたる連載でいえば、文春オンラインに先週、漫画家の植田まさしのロングインタビューが掲載された。代表作「コボちゃん」の新聞連載は1万2000回を突破し、「かりあげクン」はコミックスが60巻に達する植田まさしであるが、長続きする理由を問われ、こう答える。
「うーん……。変わらないものを、通俗的に描き続けているからでしょうか」(注)
普遍的な人間の通俗性、週刊新潮の創刊にたずさわった齋藤十一の言葉を借りれば「どんな聖人も一皮むけば金と女と権力」……、「『加計に決めました』出来レース議事録」はその縮図のような記事でもあった。