日本に負けず劣らず、あるいはそれ以上に芸能ニュースへの関心が高い韓国。2月5日に報じられた鈴木杏樹と喜多村緑郎の不倫も、海外芸能ゴシップとしてさっそく一部メディアが取り上げていた。
だが50歳の女優と元歌舞伎俳優に対する反響は、意外なほど小さい。それに対して1月下旬以来の東出昌大と唐田えりかの不倫騒動は、2月に入ってもまだ日本での続報を紹介する形で報道が続いている。
ポータルサイトのコメント欄は中傷の嵐
東出も日本の代表的スターの1人として、韓国で多少の知名度はあった。だがやはり韓国でインパクトがあったのは、唐田えりかのほうだ。
女優デビューする以前の2014年から韓国で芸能活動を始めた彼女は、2017年のLG電子スマートフォンのCM、そして昨年の大ヒットファンタジードラマ「アスダル年代記」で広く顔を知られた。太古の小部族を率いる若き女族長を演じた唐田は、凛とした清純なイメージで視聴者に鮮烈なイメージを残している。
それだけに今回の件が与えた驚き、また失望や不信は、韓国でも多数のネガティブな反応を招いた。例えば「”不倫” 唐田えりか、東出昌大との別れを知人に相談」と題した「ソウル新聞」(2020年2月5日付)記事のポータルサイト(NAVER)版には、次のようなコメントが寄せられている。
「うわ、えりか、本当に失望だ。清純な美しさをアピールしていたのに、19歳から3年間不倫…、開いた口がふさがらない」。
だが、こんなのはまだかわいいほう。ほかのコメントはこんな調子だ。
「顔だけは清純」
「恥を知れ」
「ムカつく不倫女消えろ、家庭破壊犯」
ほかの記事に寄せられたコメントも、多くがこの通り。
「唐田えりかが好きでわざわざ探してみるほどだったのに、今度のことでもう終わりだ」
「ファンに対して申し訳なく思うんじゃなく、相手の夫人に対して悪いと思わないと」
「えりかは韓国でもう終わり」
韓国でもかねてから、ネットでの悪質な誹謗中傷が社会問題化してきた経緯がある。とりわけその被害にあいやすいのが、世間の耳目を集める芸能人だ。
元女性グループ f(x) のソルリ、また同じく元KARAのク・ハラなど、昨年相次いだアイドル出身芸能人の自殺の要因にも挙げられている。著名人に対する中傷は、無責任な匿名の嗜虐心から特に過熱しやすい。韓国進出した日本の芸能人もひとたびゴシップが流れれば、その被害を免れるのは難しいようだ。