きょう8月7日は「機械の日」である。これは、日本機械学会が、機械の意義や役割を広く社会とともに考え、人間と機械のふさわしい関係を模索するため、産官学の関係各方面と協力して2006(平成18)年に制定したものだ。その日付は七夕の中暦に合わせている。同学会の公式サイトによれば、もともと七夕は、技巧上達を祈念する「乞巧奠(きっこうでん)」という中国の行事に由来するという(日本には奈良時代に伝来)。また、「たなばた」の読みは、この日に神に捧げる御衣を「棚機(たなばた)」という織機で織り上げたことから生じたとされる。
そもそも日本の産業革命は、繊維産業を中枢として起こり、その発展にともない精紡機や織機など機械の国産化も進められた。臥雲辰致(がうんときむね)の発明した「ガラ紡機」と呼ばれる精紡機はよく知られるし、あるいは豊田佐吉は自ら発明した自動織機を企業化し、現在のトヨタグループの基礎をつくった。そうした日本の機械工業の歴史を考えればなおさら、上記のような由来を持つ七夕は「機械の日」にふさわしいといえる。
なお、日本機械学会は2007年より毎年、機械技術にかかわる歴史的遺産を「機械遺産」として認定しているが、その表彰式もきょう7日に行なわれる。認定された遺産はこの10年間で90件を数え、今年は、東京の勝鬨橋(跳開部の機械設備)や国産初の地下鉄車両(現在の東京メトロ銀座線を走った最初の電車)、有人潜水調査船「しんかい2000」などが選ばれた。