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 つまり、事故物件であることを明記した結果、売却額が多少安くなったとしても、千葉市としては痛くも痒くもないということです。むしろ、その物件の“過去”を正直に伝えずに、後からクレームが来るほうがよほど面倒でしょう。

「競売」が生んだ凄惨すぎる事件とは?

 このケースは「事故物件が競売にかけられた」というものですが、一方で「競売にかけられたことで、事故物件になってしまった」という例もあります。

 競売物件の特徴の1つとして、“立退き”が挙げられます。何かの事情で住宅ローンが払えなくなり、遂には裁判所に家を差し押さえられ、売却されてしまった。それでも、ここを出ていったら行くところがない……。そうした場合、断固として立退きを拒否する住人もいます。

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 少し昔の話になりますが、昭和58年(1983年)には、この立退きを巡って惨忍な事件が起きました。ある男が東京都練馬区の物件を落札したのですが、彼は専門業者などとは連携せずに、自力で立退き交渉を続けたのです。

©iStock.com ※写真はイメージです

 しかし、その家に住んでいた家族は立退きを拒否。やがて業を煮やした男は、凶器を持ってその物件に侵入し、40代の夫婦とその3人の子供、計5人を次々と殺害しました。さらには5人の死体を夜通し風呂場で切断し、バラバラにするなど、「競売」から生まれた悲劇としては稀に見る凄惨さでした。

 このように競売物件と事故物件は、多様に重なり合っています。次は「落札した競売物件で、死体が発見された」ケースをご紹介しましょう。

後編に続く