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「結局は打つ人がレギュラーになるんです」オリックス宗佑磨の覚悟

文春野球コラム オープン戦2020

2020/03/06
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積極性は失わず……2年前との違い

 2年前の話を振ると、

「2年前ですか。その頃とは全く意識は違うと思います。あの頃はまずは強く叩こうとしか考えていませんでしたから。今はやっぱりまずはセンターへという意識です。練習では逆方向を意識しながら自分でポイントを確かめて、試合ではもう何も意識せずって感じです」

 この日の最終打席では、初球を叩いてライトに大飛球を放ったが、前の2打席は結果的には凡退に終わりながらも、初球のストライクを見送り、相手投手に球数を投げさせている。

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「最終打席は、体が自然に反応しました。その前の2打席は結果的には球数を投げさせていますが、それをとくに意識したわけではありません。ただ対投手ということとなると、例えば第2打席の古谷君はボール球が多かった(先頭打者から3連続四球)ですし。ただ、打席では初球から積極的にいこうとはいつも思っています。そうでないと後手後手に回りますから。でも、確かに2年前だったら打てる球がきたら初球からいってたんじゃないですか(笑)」

 あくまで自分の持ち味である積極性は失っていないと宗はいう。ただ、変わったのは初球からバットを出す準備はしながらも、自分が仕留めることができる球を待つ意識ができたということだろう。

「今はやっぱりまずはセンターへという意識です」 ©阿佐智

 この日の宗が守備についたのは、キャンプ中取り組んでいたサードではなく、昨年まで守っていたセンターだった。4か月ぶりで緊張したとはいうものの、ライトについたメジャーリーガー、ジョーンズに守備位置の指示を送る様子は彼が外野の要でもあることを示していた。

「普通のことをしただけです。センターの仕事ですから。打球方向とか、バッターが足が速いとか、そういうことは彼は知らないと思うんで伝えたまでです。レフトにだって指示は出しますよ。とくにアダム・ジョーンズだからというわけではないです。ただ外野は久しぶりだったんで、感覚は取り戻さないといけませんね」
 
 翌24日、韓国・斗山との練習試合。宗はサードのポジションについていた。守備機会は一度きりだったが、ピッチャーの横を抜けるボテボテの打球をランニングスローで仕留めた姿に、この冬の成果を見た。

 今シーズン開幕戦、宗佑磨はどこで迎えるのだろう。そのカギを握るのはバッティングであることは間違いない。

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