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お風呂を通じて感染するのか?

 さらに家庭内の感染で迷うのが、感染の疑いがある家族が出た場合、「入浴はどうすべきか」ということだ。風呂を通じて感染するようなことはないのだろうか。

 まずは「入浴する」という回答から。

「高熱で具合が悪くなければ入浴は可能と思うが、感染が疑われる人は最後に入る、脱衣所で使うスキンケア用品は旅行用の小サイズのものを持ち込み、使用後は自室に持ち帰る、などの工夫をした方が無難かも」(E医師=40代女性、泌尿器科)

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「お風呂は全身についたウイルス量を減らすために入ります。念入りに身体を洗います」(L医師=40代女性、耳鼻咽喉科)

「熱で体力が消耗してない限り入浴して構わない。石鹸でウイルスは十分洗い落せる。ただし、体を拭くタオルは使うごとに交換、洗濯し、家族とは共用しない」(K医師=60代男性、感染症・膠原病内科)

「一般的にウイルスは熱に弱いので、入浴はもちろんサウナにも入る」(P医師=50代男性、脳神経外科)

感染の疑いがある場合、お風呂はどうするか? ©iStock.com

シャワーを勧める医師も

 一方で、入浴ではなくシャワーを勧める医師もいる。

「清潔にすることは大切で、風呂に入ることは悪くはないが、入浴前のシャワーによる洗浄は念入りにする」(F医師=60代男性、心療内科)

「入浴は問題ないと思うが、シャワーならより安全」(B医師=50代男性、消化器内科)

「家庭内の誰かに感染の兆候が出たら、(風呂ではなく)シャワーになるかもしれない」(I医師=50代男性、整形外科)

 さらに「入浴しない派」、あるいは「条件付きの入浴派」も。

「感染の疑いがあるなら、体の負担を考えて入浴は避ける」(S医師=40代男性、緩和ケア科)

「風呂は疲労を考えると避けたいが、精神・衛生を考慮し、全身状態が悪くなければ最低限は可とする。ただし入浴時間は短くし、疲れないようにする。風呂から出たらすぐに体を乾かして冷えを防止する」(D医師=50代男性、漢方内科)

 感染予防というよりは、体力の消耗を避けるための入浴回避といえそうだ。

 未曾有の事態だけに、医師もひとつひとつ考えながら対策を講じている。私たちもしっかりと情報収集をして対応したい。

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