日本国内でも感染が拡大している新型コロナウイルス。3月5日には東京都足立区で、小学校の女児と保育園に通う男児の感染も明らかになるなど、子どもたちへの感染の広がりも心配されるところだ。
そこで、全国の臨床の最前線に立つ現役医師21人に、新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急アンケートを実施した。今回は家族の中でも特に「子ども」に対する接し方を中心に、その回答を紹介する。
子どもの感染は心配いらない?
まず、子どもの感染について、現場の医師たちはどのように考えているのか。
意外にも21人の回答中、「子どもの感染についてはあまり不安視していない」という回答は6人にのぼった。このあたりは「医師だからこその冷静さ」といえるのかもしれない。
「子どもについては基本的に心配していない。感染元にならなければいいので、極力外出させないようにして、第三者とは接触させない」(G医師=40代女性、整形外科)
「自分でも家族でも感染が疑われるときは自宅で療養するが、子どもは重症化しにくいのであまり心配していない」(C医師=50代男性、泌尿器科)
「子どもは発症しても軽いとされているので不安はない」(Q医師=50代男性、脳神経外科)
「子どもは感染してもあまり問題はないので同じ家で過ごし、もし自分に感染の兆候があるならいい機会なので、料理などの家事はすべて子どもたちにやってもらう」(L医師=40代女性、耳鼻咽喉科)
3月7日に報じられた米ジョンズ・ホプキンズ大と中国深圳疾病予防コントロールセンターなどのチームの研究成果は、「新型コロナウイルスの子どもへの感染しやすさは、全年代の平均と変わらない」と指摘。一方で、中国国内の研究で「子どもの患者が少ない」とのデータがあることについては、「子どもが重症化しにくいのかもしれない」とし、同チームの分析でも、子どもは発熱しないケースも多かったという。
現場の医師たちのコメントを裏付ける内容とも言えるだろう。