オープン戦の日程が終了した。開幕は延期となり、4月10日以降の開幕まで調整のための練習試合も行われるため、調整の期間はまだまだつづくわけだが、それでもオープン戦は終わった。

 結果、巨人は最下位。最終試合も負けて13戦勝ちなし、という、ここまでくると実にすがすがしいほどの負けっぷりである。オープン戦なんだからいいではないか、という意見もあるが、そうそう悠長なことは言っていられない。

2勝10敗4分けでオープン戦最下位に終わった原巨人 ©時事通信社

オープン戦最下位から優勝を果たした唯一のチーム

 実はオープン戦の成績が良くないとシーズンの成績も良くない、というデータがある。2005年から昨年までの15年間を振り返ってみると、オープン戦最下位チームのシーズンでの成績はほぼすべてBクラス。シーズンも最下位だったのが実に半分以上の8チーム(2016年は3チームが最下位で、うちペナントレースでは2チームが最下位)。そしてAクラスはたったの2チーム。

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 つまり、データ上、オープン戦最下位になるとほぼほぼBクラスという暗澹としたシーズンオフが待っている、ことになる。今の巨人にとって、穏やかではない。

 しかしながら、その15年間の中で、たった1チームだけオープン戦最下位からのペナントレース優勝を果たしたチームがある。それが2008年の巨人軍だ。

 2008年の巨人といえば、オープン戦の不調そのままに開幕5連敗。7月8日時点で阪神と巨人の差は13ゲーム差に広がり、なんと7月22日には阪神に優勝マジックが点灯した。

 しかし、北京五輪で各チームの主力選手がレギュラーシーズンを欠場したのを機に阪神の勢いが止まり、逆に巨人が夏場以降に猛追し、9月11日から12連勝するなどして、大逆転で優勝を飾った。最大13ゲーム差の逆転は「メークレジェンド」と呼ばれた。