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“役に立つ勉強”に偏ることの危うさ

 文理選択など教育の「効率化」からも分かるように、近年の日本の小学校から大学までの教育は「社会に出て役に立つ人材」を育てることが重視されている。例えば小学校では2020年度から英語教育やプログラミング教育が必修となる。

 こうした傾向に藤原氏は危機感を抱く。

藤原正彦氏 ©文藝春秋

「一見何の役にも立たなそうな基礎科学、文学、芸術などに取り組むことが出来るのが人間の“高貴”なのです。こういった普遍的価値とでも言うべきもので人類に寄与した国だけが、世界から尊敬されます。経済効率一辺倒で、役に立たないものを軽視するようでは、日本は『国家の品格』を失ってしまうということを認識すべきと思います」(藤原氏)

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出典:文藝春秋4月号

 他にも、競争を重視する科学研究の問題点、梶田氏が恩師の小柴昌俊氏からかけられた“ある言葉”など梶田氏と藤原氏が日本の教育の問題点を指摘した対談「このままでは『三等国』になる」全文は、「文藝春秋」4月号、「文藝春秋 電子版」に掲載されている。

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