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米軍基地にも事故物件はある! 大島てるが教える「米兵が殺されたマンション」の新たな入居者

事故物件サイト運営人が明かす“沖縄での悲劇” #2

2020/03/28
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10日ほど経って、殺人容疑で逮捕されたのは……

 では、その米兵を殺した犯人は誰なのか。遺体発見から10日ほど経った日に、殺人容疑で逮捕されたのは男性の妻でした。彼女は夫と同じ米空軍に勤める20代の男と共謀して、男性を殺害したのです。その状況からは不倫関係が連想されますが、このように犯人も被害者も米軍関係者という事件は、沖縄では時々発生しています。

 殺人事件から少し経った頃、私は実際にそのマンションに行ってみました。すると、その部屋には既に、別の米兵が住んでいました。その人は殺人事件のことを知った上で入居しているのか、それとも知らずに住んでいるのかはわかりませんでしたが……。

※写真はイメージです ©iStock.com

米軍基地の土地は売り買いされている

 また、事故物件という観点から見て面白いのは、沖縄の米軍基地はおそらく日本で唯一、事故物件であることが全く価格に反映されない場所である、ということです。

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 沖縄の基地は、日本人が所有している土地を米軍が使っている、といった状態の場所が多く、今も民間の市場で基地内の土地が売り買いされています。これは軍用地売買といって、株や国債と同じような感覚で行えます。

©AFLO

 しかし、軍用地を買いたいと思っても、土地は基地の中にあるわけなので、現地を見にいくことはできません。地図上で「基地のこの部分です」と説明を受けるだけで、実際に買うとなればお金を払い、手続きをするだけ。あとは毎年、国から借地料が入ってくる、という仕組みです。