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漫画家・清野とおると結婚 壇蜜が思い出す「1年前のあの1週間」

2020/04/01
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 38歳最初の仕事は「ルンバを踊る」。モモジタトカゲのサチ子に、ナマケモノの浜平を迎え、食べる、眠る、ゆっくり泳ぐ、長めのサウナ、そして結婚…そんな毎日をつづった『結婚してみることにした。 壇蜜ダイアリー2』(文藝春秋)よりちょうど1年前の壇蜜さんの生活をお届けします。

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新元号が決定した日

2019 年4 月 1日 曇りor雨

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 新元号が決まった。予想で盛り上がれるほど今回の元号決定までのムードはなごやかで楽しみが先行するものだったので、連日の報道の過熱ぶりは目をみはるものだった。元号が発表された瞬間から商売を始める企業も多かったという。元号入りのキャンディ、ぐい飲み、Tシャツもあった。ビジネスチャンスを逃さない鋭さが伝わる。元号にちなんだ新曲をすぐさま配信したアーティストもいた。新たな元号開始までの1ヶ月は平成を名残惜しく思いながらも粛々と過ごしたい。

壇蜜さん ©文藝春秋

2019 年 4月2日 晴れ

 とある国のコメディ俳優が大統領選出馬宣言をしたという。彼は最近まで「しがない教師があれよあれよという間に大統領になる」という内容のドラマで主人公をしていた。フィクションの世界が現実となったのだ。もしも当選したら更に大きなニュースとなるだろう。汚職や賄賂などを暴く正義の大統領として描かれたドラマだというが、現実はドラマのようにいくのだろうか。少なくとも我が国では忖度があらゆる場所に息づいているので無理かと。

2019年4 月3日 晴れ

 なかなか寒さが和らがない。明日からは最高気温が17度という数字が出たが、油断はできない…いつも行くサウナでは花見の話題よりもここ数日の寒さを分かち合うような会話が多い。今日はラジオ番組のゲストに20歳の女子高生というタレントがやってきた。成績が悪すぎて2年生を4回やったという。今時の華やかさがある女子だが、失敗を落ち込んだり、輪に入れないことを気にしたりする、どこか素朴な面もあった。脇に財布をはさんで紛失防止策としているのには驚いたが。

2019年4月4日 晴れ

 祖母の誕生日を明日に控えているので、郵便局で祝電のようなサービスを利用した。郵便局では電報をうてない。代わりに綺麗な台紙にメッセージを載せて送るという。今回はじめて利用したのだが、かしこまっていてそれはそれで行儀のいい感じがした。綺麗な台紙とは裏腹に私の手書きメッセージがあまりにも粗雑な字で笑われそうだが。いよいよ祖母も90歳が近づく。オリンピックまでは、なんて言っているが、オリンピック終了と共に息絶えないでほしい。