「正常性バイアス」が働いている
「今回の2つの炎上は心理学的に言うと、『正常性バイアス』が強く働いていると思いました。正常性バイアスとは『認知バイアス』(考え方や思考の癖)の一種で、何かの事象に対して『自分は大丈夫、危険じゃない』と思い込んでしまう傾向が強いことを指します。『自分は新型コロナウイルスにかかるわけない』『自分とは関係ない話』という捉え方をされた結果の発言だといえます。
松嶋さんの場合は、『友達と遊ぶ』という行動自体も含めて考えると、『楽観性バイアス』の傾向も強いと思います。楽観性バイアスとは、その名の通り『楽観的に物事を考えてしまう』傾向が強いことを指します。リスクがある状況でも危険な行動をしてしまったり、用心をあまりしないような人が多いです」
なぜ同じことを繰り返すのか
――これまでにも、足立さんはサッカーW杯(2018年)の日本対ポーランド戦で、リードされている状況でも決勝トーナメント進出を優先してパス回しに徹した日本代表に対し、「素直に喜べないというかなんというか」とツイート。松嶋さんは同じく『バイキング』で、南青山に「港区子ども家庭総合支援センター(仮称)」が設置されることに地元住民が反対しているニュースのコーナーで、「もしも自分のところに(児童相談所が)来るとなった時には引っ越しする可能性あります」と発言して、どちらも賛否両論を呼びました。なぜ同じことを繰り返してしまうのでしょうか。
「キャラクター的なものがあるから。松嶋さんは天然キャラで、スタジオで思ったことを正直に言うタイプと思われている方ですよね。足立さんも、特にツイッターで歯に衣着せない率直な物言いが好意的に受け入れられているような印象を受けます。このキャラクターが一定の人気を獲得しているので、抱えているバイアスに気がついたとしても、修正する必要性が感じられないのかもしれません」
――松嶋さんは南青山児相問題で、「親に暴行されてキーッとなってる子がボーンって外に飛び出して暴力振るったり、カツアゲしたりするかもしれない」などと、発言の矛先を子供に向けてしまったことにショックを受けた人も多かったと思います。
「あの一連の発言には『フォールス・コンセンサス効果』というバイアスが強く働いているように思います。これは、他の人も自分と同じように考えたり、行動したりするんじゃないかと思い込む傾向のことを指します。もし児相が来たら自分も引っ越すし、みんなもそうしたいと思うよね、という考え方から出てくる発言だったのでは」