――足立さんは、「反論ツイート」に加えて、インスタグラムのストーリーに「わたしがしねばよかったんだ」「そういってほしいんでしょみんな」とも読める言葉を投稿したことが二重に話題を呼びました。
「足立さんの場合は、自分が話題の中心に立って物事が進んでいかないと気が済まない、『ナイーブ・リアリズム』というバイアスがあるのではないでしょうか。自分が考えていることは、他人も客観的に同じ意見になるのが当たり前だと思いやすいため、自分の意見に反対されると、『絶対にあなたの方がおかしい!』となってしまうんですね。自分は常に正解であり、自分の意見や信念がとにかく強いタイプです」
みんなが私を気にしてくれてたからの報告なんです
— 足立梨花 (@adacchee) March 25, 2020
そういう問題じゃないとおっしゃってますが、そういう問題でもあるんですよ。
毎日いろんな方と仕事している私は人と接触する機会も多い、安全第一でこれ以上コロナを広げないようにしないといけないんです。
いろんな方が危機感を持つべきなんです
「芸能人に正論をぶつける」理由
――認知バイアスのなかには、色々な種類があるものなんですね。
「偏見や思い込み、勘違いといった人の考え方や思考、判断の癖をバイアスと呼びます。錯覚や錯視もそうです。認知に関わっているので、その種類もかなりの数になります。こういったバイアスは誰しもが少なからず持っていて、個人の経験や生育環境、ストレス状況などによって強く出たり、弱く出たり、状況や場面、対人関係などによってバイアスが働いたり働かなかったり、個人差が発生してくるのです」
――うかつにも見える芸能人の発信に、フォロワーや視聴者のなかには「正論」をぶつける人も多いです。
「誰でも、感情のはけ口は欲しいものですよね。今は新型コロナウイルスの影響で、深刻なニュースも多く、危機意識とともにストレスが高まっている人は多いと思います。人間には常にストレスを発散したいという欲求がありますし、ネットなら匿名性もある。そこにフォールス・コンセンサス効果やナイーブ・リアリズムが働いて、芸能人に正論をぶつけるという行為を起こしやすいのでは。時節柄、そうした傾向は強まっていくのかもしれません」