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客が殺気立って収拾つかず、警察も出動

ビックカメラ有楽町店でも”3密”状態が発生(4月4日) ©文藝春秋

「『ヨドバシカメラマルチメディアAkiba』は、床が見えないほどの人たちでフロアが埋め尽くされていました。ざっと見る限り、150人くらいは密集していたのではないでしょうか。みんな殺気立っていて、“3密”なんて気にしている様子はなかった。マスクをしていた人も多かったのですが、あんな状態では気休めにもならない。収拾がつかなくなって、警察も出動していました」(ヨドバシカメラに居合わせた客)

 なぜ、外出自粛要請の中、家電量販店にこれほどの人が殺到したのか。「この人たちの多くは『転売ヤー』ですよ」と語るのは、自身も転売を生業とするA氏だ。「転売ヤー」とは転売業者のこと。転売ヤーによるマスクチケットの高額転売は社会問題にもなっている。

目当ては「Nintendo Switch」と人気ソフト

「実はこの日、これらの店舗には、家庭用ゲーム機『Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)』と人気のソフト『リングフィット アドベンチャー』が大量に入荷するという情報が出回ったんです。集まったのはそれを狙った転売ヤーです。新型コロナの影響から自宅で過ごす時間が長くなり、世界的に家庭用ゲーム機を欲しがる人が増えているんです。

「Nintendo Switch」 ©iStock

 現在『Nintendo Switch』はほぼ完売状態で、滅多に手に入りません。3月に発売されたばかりの専用ゲームソフト『あつまれ どうぶつの森』は“巣ごもり需要”で品切れ続出です。転売ヤーにとってこんな好機はない」(同前)

“巣ごもり需要”で大人気となっているNintendo Switchのゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」

 さらに、新型コロナの影響でバイトをクビになった学生や、時間に余裕がある主婦も転売に参戦し始めているという。それが”仕入れ競争”に拍車をかけているのだ。

「『Nintendo Switch』が高く売れるという情報はかなり広まっていたので、転売ヤーではない一般層も多かったんですよ。しかしそういう人は販売ルートを持っていないので、売る場所に困っていることが多い。中古ゲーム販売店などにもっていくのが関の山ですが、大した利益にはなりません」(同前)

ヨドバシカメラ秋葉原店の店内 ©文藝春秋