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「Nintendo Switch」は中国での需要が高い

 A氏はそういった転売初心者をターゲットに、Twitterでこう発信した。

《Switchネオンカラー、グレー各46,000円で買い取ります。複数ある場合は値段優遇します。有楽町周辺で買い取りします》

「この投稿を見て、大勢の主婦や学生が連絡をしてくる。僕はこうやって定価3万2970円(税込)の『Nintendo Switch』を4万6000円から4万8000円で集めるんです。そして5万1000円から5万3000 円で中国人富裕層に流しています。『Nintendo Switch』は特に中国での需要が高く、高額で転売できる。この仲介で1台あたり約5000円から7000円の利益が出ます。仲介だけなら家電量販店に並ぶ必要もないので楽なんです」(同前)

ビックカメラ有楽町店で配られたNintendo Switch購入の整理券 ©文藝春秋

 転売目的の人々が殺到した「ビックカメラ有楽町店」では警察が出動する事態にも発展した。実際に「警察沙汰に巻き込まれた」という客が取材に応じた。

「店員さんは相当ピリピリしていて、精神的に削られた」

「開店前から並んだ人たちには整理券が配られました。入店時に整理券をもらって、そのままゲームコーナーに並ぶという流れでしたが、僕は並んでいる途中でトイレに行きたくなり、いったん列を離れてしまった。その後、再び列に戻ると、店員さんに『あなたはもう購入の権利がありません』と言われました。『そんなこと聞いていない!』と主張しても『アナウンスしていますので』の一点張り。僕は『館内放送があったわけでもなく、整理券にも記載がない』と反論しましたが、店員さんも譲ってくれませんでした」

 言い争いはヒートアップ。あたりは騒然としていたという。

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発令により外出自粛となり、歌舞伎町を巡回する警視庁の警察官(4月10日午後、東京都新宿区) ©時事通信社

「すると警察官が仲裁に駆けつけたのです。事情を説明して整理券を見せると、警察官が店員さんに対し、『整理券もあるんだし、売ってあげてくださいよ』と説得してくれました。結果、僕は無事に『Nintendo Switch』を購入できました。でも長時間並んでいた人たちや、店員さんは相当ピリピリしていて、精神的に削られました。もうこの時期に家電量販店へは行きたくありません」(同前)

 ヨドバシカメラでは秋葉原の店舗でも警察が出動する事態となった。その原因は「デマ」だったという。