家電量販店の店員たちは今、外出自粛要請をモノともせずに全国から殺到する転売目的の業者「転売ヤー」たちに、文字通り、“死の恐怖”を感じているという。

「『Nintendo Switch』や専用ソフト『あつまれ どうぶつの森』を求める転売ヤーは緊急事態宣言後も押し掛けてきています。特にSNSなどで入荷情報が出回った日は日本中から大量の転売ヤーが殺到しますが、そうでない日も店舗に現れない日はありません」(家電量販店従業員)

ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba ©時事通信社
“巣ごもり需要”で大人気となっているNintendo Switchのゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」

入荷を待って8時間にわたって張り込む転売ヤーも

 別の家電量販店関係者もこう証言する。

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「入荷したところを狙っているのか、搬入エレベーター前やレジ裏への搬入動線にも転売ヤーが張り込んでいることがあります。7~8時間も張り込んでいる人もいました。グループで動いている転売ヤーも多いようで、電話で連絡を取りながら張り込んでいるんです」

 売る側も“転売ヤー対策”を模索をしているが……。

「例えば、店内を徘徊しながら数分おきにレジ裏の棚をしきりに覗いて入荷状況を確認する人や、1人1台限定のところを違うレジに並び直して何度も購入を試みる人など、明らかに怪しい人については、転売ヤーと判断して『スイッチはありません』と独断で断る店員も多いんです。しかし明確な基準がなく、間違えればトラブルに繋がりかねないので、店舗側としてもしっかりとした転売対策を講じることができないのです」(同前)

ヨドバシカメラ上野店での”超3密“状態を捉えた1枚(4月4日) ©文藝春秋

 そんな転売ヤーらが殺到し、パニック寸前に陥ったのが大手家電量販店のヨドバシカメラ。文春オンラインでは4月12日、殺気立つ店内の様子を報じた(「【ヨドバシ”超3密”状態でパニック寸前、警察沙汰も】転売ヤーの目的はマスクではなく……」)。

 都内某店舗に勤めるヨドバシカメラ関係者は「もう新型コロナウイルスに感染しているものだと思っている」と心中を吐露した。