4月15日に投開票が行われた韓国の総選挙は、文在寅大統領率いる「共に民主党」が、系統政党と合わせた現有129議席から過半数を大きく超える180議席を獲得し圧勝した。

 この選挙結果について、昨年11月に『韓国 行き過ぎた資本主義』(講談社現代新書)を上梓したフリージャーナリストの金敬哲氏は「今後も政権の反日路線は激化していくのではないか」という。

総選挙で圧勝した文在寅大統領 ©getty

 合計で1万人を超える新型コロナ感染者が発生した中でも、韓国で続く「反日路線」の実態について金氏が綴った。

ADVERTISEMENT

コロナの中でも「反日」

 3月5日、日本政府が韓国と中国に対する入国制限を発表すると、文政権は怒りを爆発させた。翌日には北朝鮮のミサイル発射があっても開かれなかった青瓦台のNSC(国家安全保障会議)が招集され、激高した丁世均首長らの発言が伝えられた。

「過度で不合理な措置を直ちに撤回することを求める」(丁首相)

「盗人猛々しいではないか。我々が日本人の入国を制限するならともかく、今回の措置は納得し難い」(青瓦台関係者)

椅子の使用が禁じられたソウル駅

 こうした場合、外交部次官が駐韓日本大使に抗議するのが慣例だが、康京和長官が直々に冨田浩司大使を呼び付け抗議。怒りに満ちた康長官に、冨田大使が深く頭を下げる写真が公開されると、国民の間では、「胸がスッキリした」「いや、日本に対する礼儀に欠けている」という相反する声が上がった。

 さらには、「日本人に認めてきたビザの免除措置と発行済みのビザの効力を停止する」と対抗措置も発表。こうした文政権の対応について韓国メディアからも「中国など、ほかの国に比べて公平性に欠ける」と指摘する声が出たが、青瓦台は「(指摘は)合理的な批判とは考えにくい、事実を糊塗する主張」「主権国家として当然すべきこと」と一蹴した。