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「ここ見て見て、きれいでしょ」岡江久美子さんが“人気絶頂でヌード”を決めた理由

「撮影はニューヨーク、ラスベガス、ロス、ハワイを10日間でまわって撮りました。ロスまでは普通の撮影、いわゆる慣らし撮影だったので久美ちゃんも張り切っていたけど、ハワイでのヌード撮影はさすがに恥ずかしそうにしていたのを覚えています」

 そう懐かしそうに撮影当時を語るのは、1982年5月に発売された別冊スコラ「岡江久美子写真集 華やかな自転」(講談社)でカメラマンをつとめたマイク岡田氏だ。

 4月23日に新型コロナウイルスによる肺炎で急逝した女優の岡江久美子さん(享年63)の訃報に「本当にショックだった」としばらく言葉を失ったという岡田氏。岡江さんの人生の一つの転機となったヌード撮影を決意した舞台裏を「文春オンライン」に打ち明けた。

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婚約発表をする大和田獏さんと岡江さん(1983年)。この前年に写真集を刊行していた ©時事通信社

本人が最後まですごく気に入っていた一冊

「天までとどけ」(TBS系)の母親役、「はなまるマーケット」(同)のMCの姿から考えると、少々ギャップのある岡江さんのヌード写真集の存在。刊行当時、24歳だった岡江さんは清純派女優として活躍していたことから、突然のヌード写真集の発売は大きな話題となった。

 当時からマネージメントを担当していた岡江さんの所属事務所「スタッフ・アップ」代表取締役の戸張立美氏(70)が振り返る。

「私たちが心配していたのは、『連想ゲーム』に出演していたNHKや、CMをしていた製薬会社の反応でした。驚かせてはいけないので、事前に写真集が出ることを伝えに挨拶に行きましたが、皆さんから『特に問題ないですよ』という言葉をいただいて、ほっとしたことを覚えています。

 岡江本人は最後まで、この写真集をすごく気に入っていました。写真集を発売してから度々、バラエティやトーク番組などで番組側が用意したサプライズとして、岡江の写真集が持ち出されることがあったんです。番組スタッフは『なにしてるのっ!』って驚いたり、『見ないで!』と恥ずかしがることを期待したと思うのですが、岡江は『ここ見て見て、きれいでしょ』と内容を紹介し始めてしまって、全然サプライズになりませんでした」

「今を逃したら一生、こんな気持ちにはならない」

 定価1800円だった写真集は現在、ネットオークションなどで2万円を超えるプレミア写真集として取引されている。