“官邸の金正恩”が発案した「マスクとコラボ」
《「全国民に布マスクを配れば、不安はパッと消えますから」。首相にそう発案したのは、経済官庁出身の官邸官僚だった。》(朝日新聞4月3日)
新聞には実名がなかったが、「週刊文春」4月16日号には、
《「佐伯(さいき)耕三首相秘書官(44)が安倍首相に『全国民に布マスクを配れば不安はパッと消えますよ』と発案したのです。彼の進言に加え、三月に北海道の一部地域で実施したマスク配布が好評だったことも後押しとなった」(官邸関係者)》
とある。私はてっきり今井尚哉首相補佐官だと思ったが今井氏の後輩だったようだ。ちなみにあの星野源動画との「コラボ」を発案したのも佐伯氏と見られているという(「週刊文春」4月23日号)。
《高圧的な物言いに体型も相まって、いま佐伯氏は“官邸の金正恩”と称されています。》(「週刊文春」4月16日号)というが、これだけ立て続けに“やっちまった”今後はどうなるのだろう。本物の金正恩と同様に安否が心配です。
さて、これに関連して官邸の政策決定の変化を報じる記事もいくつか出ている。
「危機管理対応に変化の兆し 一律10万円給付、菅氏関与見えにくく」(日経4月21日)
これら政局報道をみるとどうやら「菅外し」が行われているらしいのだ。「令和おじさん」人気や、菅氏に近い菅原一秀経済産業相や河井克行法相が相次いで辞任したことで、安倍首相との間に距離ができているという見方。
菅氏は雑誌で人生相談をスタート
これが本当なら菅氏の巻き返しがあるはずだと私は思っていた。すると、雑誌「プレジデント」で菅氏が人生相談を始めたというではないか(5月15日号、「菅義偉の戦略的人生相談」第1回)。
もともと菅氏が読売新聞の「人生案内」を熟読しているという話は有名だった。それなら菅さんも人生相談を始めませんかというオファーがあったのだろう。しかし考えたいのはその手のオファーはずっと前からあったはずだということである。アイドルや女優のヌード写真集で考えてほしい。オファーを受けるという「本人が決断する時期」にこそ意味がある。
この時期にメディア露出をし始めた菅官房長官なのである。言ってみれば「ヌード」を決断したわけだ。世間に対しアピールを再開し始めたように見える。
各種マスク問題は官邸相関図すら浮き彫りにする大ネタであったのである。