「岡江さんは自然体で天性の明るさの持ち主。獏君も気配りできるし、お似合いのカップルでした」
そう語るのは、NHKクイズ番組「連想ゲーム」の司会を務めていた元NHKアナウンサーの松平定知氏だ。4月23日、新型コロナウィルスによる肺炎で亡くなった女優・
「連想ゲーム」は1969年から1991年まで放送されたNHKの人気クイズ番組。男性チーム(白組)と女性チーム(紅組)に分かれ、それぞれのチームのキャプテンが出すヒントから連想される言葉を先に当てた方が勝ちというもの。岡江は1978年、21歳の時から番組のレギュラー解答者として5年間出演し、お茶の間の人気を得た。紅組キャプテンだった女優の水沢アキは、「はじめは控えめで地味だった」と明かす。
「全然しゃべらなかったんですよ! 後からしゃべるようになってビックリしました。ある時、私が断ったドラマやCMの代役として出ていたことがあった。クミちゃんから『アキちゃんごめんなさい。私、しゃべるのが苦手なのにアキちゃんの仕事をとっちゃってスイマセン!』と言われ、なんて素直な子なんだろうと思いました(笑)。必要以外のことは言ってはいけない、クミちゃんの持つ品の良さや教養があるというイメージを崩してはいけない、という教えがNHKの人からあったのかもしれません。それでも、人前でしゃべらなかったというのが最初の印象でした。時代の流れとともに、だんだん快活にしゃべるようになったんだと思います」
1981年から司会を務めた松平氏は「お茶目な方だった」と懐かしむ。
「番組終盤に『1分ゲーム』というコーナーがあった。そのゲーム開始の合図が鳴ると、司会者が『ここで(1分ゲーム開始の)チャイムが鳴りました』とゲーム開始を告げる。ぼくはそれを、『リロリロリンが鳴りました』と言うようにした。岡江さんがそれをいたく気に入ってくれて、本番前に『さ! リロリロリン』と言って解答席に座っていました(笑)」