文春オンライン

新型コロナ情報は玉石混交 医師たちが本当に見ているサイトはどれ?

2020/05/13

今だからこそ見たい国際機関のサイトは?

3) WHO(※英語含む6ヶ国語のみ)

https://www.who.int/

WHO

 新型コロナ対策初期の方針が正しかったのかが物議をかもしているWHOとテドロス事務局長。しかしWHOが提示するデータが世界におけるスタンダードであることに変わりはない。WHO のサイトにはCOVID-19のページがあり、“Situation Reports”の項では、世界各国の感染状況を把握することができる。

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 ところで、最近では、テドロス事務局長の“test, test, test” 発言が話題になった。 WHOの一挙一動は、日本のニュースでも逐一報道されるが、それは何をもとにしているのか、考えたことはあるだろうか。

 WHOは、ジュネーブでほぼ1日おきに、現地時間17時30分頃(3月の最終日曜から10月の最終日曜はサマータイム中なので、日本時間の午前0時30分頃)に、メディア向けの会見(これを「ブリーフィング」と呼ぶ)を行っている。そこで、WHOの最新の考えや指針がメディアに向かって伝えられ、各国のメディアがそれを報道するのだ。会見では各国のメディアによる質疑応答も行われる。

 “test, test, test”発言は、日本でPCR検査が議論になっていた頃に話題になったが、「接触者や疑わしい症例には検査を」という文脈の中での発言であり、「メディアによる切り取りではないか」と、主に医師の間で話題になった。

 会見の内容はすべて記録されており、夜中に起きていなくとも、あとからでも確認することができる。「英語を聞くのが苦手だ」という人は、トランスクリプトがあるので、それを確認することも可能だ。「ちゃんとした報道がなされているのか」を知る上で、原文のチェックは有効だ。皆さんも、時間があるときにはぜひブリーフィングをチェックしてほしい。

4) CDC (※英語含む2ヶ国語のみ)

https://www.cdc.gov

 CDCとは、アメリカの疾病予防管理センターのことだが、医療従事者向けのガイダンスが頻繁に更新されており、厚生労働省もガイドライン作りの参考にしている。医療事情の異なったアメリカの情報なので、日本で直ちに応用できるかは注意が必要だ。

 CDCのサイトには、一般向けの情報も多く掲載されている。最近では、「家をどのように消毒するか」「高齢者はどう対処すべきか」についての情報が掲載された。また、一般向けに、布フェイスカバー(つまり布マスクのこと)の作り方を公開したり、公衆衛生局長によるマスクについての解説動画も掲載している。Twitterでも、マスクその他についてわかりやすい動画を公開している。

 CDCは、マスクを以前は積極的にすすめていなかったが、社会的距離の確保のみでは感染拡大防止が難しいのではとの考えから、現在では積極的に使用するよう推奨している。なお、CDCは、一般の方がサージカルマスクをつけるべきとは言っておらず、あくまで布フェイスカバーを推奨している。