1ページ目から読む
2/2ページ目

夢見ていた菊池雄星とのリベンジマッチ

 初戦は、現チームメイトの島袋洋奨投手要する興南高校にサヨナラ勝ち。2回戦は現阪神・秋山拓巳選手のいた西条高校に勝利。3回戦は現広島の庄司隼人選手がエースに座る常葉橘。12回まで続いた死闘の末、逆転勝ち。その時、庄司選手が今宮選手に自分のバッティンググローブを渡したシーンは思い出すと胸がギューーっとジーーンと熱くなる青春ポイントでした。

 ここまで戦ってきた相手がのちに全員プロ野球に入るという漫画のような展開を経て、ついにきた準々決勝。花巻東との一戦。

 あれからずっと対戦を夢見ていたバケモノを目の前にうずうずする今宮少年。けど勝負したかったストレートが全く来ない。腰の痛みでまともにストレートが投げれなかった菊池投手は4回でマウンドを降板。あんなに望んだ対戦はたったの4球で終わりました。

ADVERTISEMENT

 9回に明豊のピンチでまたマウンドに上がった今宮選手が菊池投手に並ぶ大会最速の154キロを投げるも、延長10回につかまって7-6で敗戦。

 もしこの試合、いつものキレキレ菊池投手だったら……強くなってリベンジにきた今宮選手はどれぐらい通用したんだろう。タラレバトークはキリがないのでここは現実の世界で戦ってもらおう。プロ8年目、でもまだまだこれからだから。

 4年連続でゴールデングラブ賞を獲っている日本を代表するショート。あとは打撃を……! 昨年キャリアハイの2桁、10本塁打をマークし、今年は8月14日現在で8本。……にやり。盗塁も12で、既に自己最多を更新。打率も.276と今までに比べ高い打率をキープ。少しずつだけど、確実に進化を遂げています。

「もっともっと上を目指してやっていきたいという気持ちが芽生えた。それが甲子園」

 2016年にベースボールマガジン社から出版された今宮健太本に書かれていた言葉です。私も1ページ書かせて頂いた、今宮選手の魅力がギュッと詰まった1冊。

 たくさんのライバルと戦った経験があって、今の今宮選手がいる。私が大好きな、2011年の甲子園キャッチフレーズ、

〝一瞬の夏、一生の記憶〟

 まさにこれですね。

 今年は母校が甲子園に出場。無事、初戦を突破し、目指せ優勝!

 ソフトバンクホークスは目指せ日本一奪回! ワンダホー!

©松中みなみ

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2017」実施中。この企画は、12人の執筆者がひいきの球団を担当し、野球コラムで戦うペナントレースです。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/3779でHITボタンを押してください。