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韓国のテレビ番組に出演して釈明する尹美香前理事長。今月末には国会議員になる。

正義連側は釈明に追われた。

1)については相場通りだったと反論
2)については「元慰安婦たちには被害を証言するなどの活動があり、施設に居住するのは難しかった」と認めた
3)については連帯する団体とのネットワーク形成のために場所を貸して収入を得たことがあるが、年に5~7回程で多くはないと弁明した。ペンション利用に関するブログは疑惑発覚後に削除された
4)については「管理出来るスタッフがいなかったため尹前理事長の父親に頼んだ。2014年から今年4月に建物を売却するまで合計約7700万ウォン(約690万円)の報酬を支払った」と事実関係を認め、思慮が足りなかったとしている。

疑惑全体に対しては「目的に合った運営が出来なかった。事業をきちんと遂行出来ず申し訳ない」と謝罪に追い込まれた。尹前理事長と正義連は防衛に必死だが、尹前代表の個人口座が寄付の送付先になっていた事が発覚するなど、疑惑は増え続けている。

16年前に黙殺された元慰安婦による支援団体批判

今回の内紛劇でにわかに注目された声明文がある。2004年にシム・ミジャさんら元慰安婦33人が連名で出した、挺対協を激しく批判する声明文だ。シムさんは日本の裁判所で日本政府を相手取り損害賠償を求めた事があり、2004年に最高裁で上告が棄却され敗訴したものの、二審の東京高裁では「慰安所が事実上は日本軍の管理下にあり、安全配慮義務を負う場合があり得た」との判断を受けた有名な元慰安婦だ。

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シムさんら33人が出した声明の内容をいくつか書き出してみる。
「いつ死ぬとも知れない慰安婦を歴史の舞台に物乞いとして売り、私服を肥やしてきた悪党」
「15年間慰安婦の人権回復のために何もしなかった。反対に人権蹂躪はあなた方から受けた」
「(日本人の寄付金などを原資に元慰安婦に1人あたり200万円の「償い金」を支給した)アジア女性基金を受け取れないようにあなた方が邪魔をして、通帳口座を随時確認して、電話で恐喝脅迫を行ってきた」
「慰安婦を物乞いとみなして自分たちの実績を積むことにだけに汲々としている水曜集会を直ちに中断せよ」
「あなた方が受け取った寄付や募金で恩恵を受けたことはありません」