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少年野球“お茶当番”への母親たちの怒りと苦しみ――筒香嘉智に届いた手紙――2019年 BEST5

2020/05/26

過去に文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。スポーツ部門の第1位は、こちら!(初公開日 2019年12月26日)。

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 8月のある日、横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手から、1通の手紙を手渡された。

「突然のお手紙で申し訳ありません。私は広島県の田舎で暮らす野球少年の母です。私の息子の所属する少年野球クラブについて悩んでいます」

 こう書き出された手紙は、子供が少年野球チームに所属するある母親からのものだった。

MLBタンパベイ・レイズへの移籍が決まった筒香嘉智 ©文藝春秋

 手紙にはそのチームでは力量を越えた練習によってケガをする選手がいることや特定の選手に対して雑用が集中したり、試合で負けると「お前のせいで負けた」とコーチが選手を非難するなど、子供たちの内面を傷つけるような指導が頻繁にあることが綴られていた。しかも指導方法の改善を監督に訴えると、逆にチームの和を乱すとして非難されていると嘆いている。そうして少年野球の監督、コーチの指導と親の関わりに関する悩みを切々と訴えたものだった。

きっかけは1月の記者会見だった

「実はこういうお母さんたちからの手紙が、たくさん来るようになっているんです」

 手紙を渡してくれた筒香は説明した。

 きっかけは2019年1月に行なった日本外国特派員協会での会見だった。

 この会見で筒香は、子供たちが置かれている野球環境の改善に向けて様々な角度からの提言を行った。そして質疑応答の中で、ある外国人女性記者が投げかけたのが、野球少年を息子に持つ、あるいは持ったことのある多くの母親たちの怒りだった。

2019年1月に行われた日本外国特派員協会の会見 ©文藝春秋

「(日本の少年野球は)スポーツではなく武道のようなものではないか?」

 こう問いかけた女性記者は、さらに子供たちだけではなく母親たちの抱える問題を訴えたのである。

「母親の置かれている環境、例えば夏休みの間、母親はずっと練習を観にいかなければならない。また指導者と子供のために100人分のお昼ご飯を作らなければならないということも私は知っている」