きょう6月3日は、俳優の唐沢寿明の誕生日である。1963年生まれの57歳。最近では、NHKの連続テレビ小説『エール』で、主人公・古山裕一の父・三郎を演じている。裕一役の窪田正孝とはこれ以前にも、2015年にシリーズ第1作
『エール』で唐沢が演じる三郎は、作曲家をめざす裕一に応援を惜しまないものの、ちゃらんぽらんで頼りない。あげく家業の呉服屋の経営を傾かせ、裕一に迷惑をかけることになった。唐沢というと、ドラマ『白い巨塔』(2003年)の財前五郎などクールな人物を演じることも多いが、今回はそれとは対照的な役柄だ。どんな役にもなりきるという点で彼は、現在の日本の俳優では屈指の存在だろう。
唐沢が俳優になろうと思った日
唐沢が俳優になろうと初めて思ったのは小学生のころ、テレビの2時間ドラマで、橋爪功がすごくいやな役を演じているのを見て、泣くぐらいの勢いで怒ったのがきっかけだった。そのとき、演技で人をそんな気持ちにさせる俳優はすごいと思い、この職業に興味が湧いたという。高校1年のときには東映の養成所にある「東映アクションクラブ」に入り、レッスンを受け始める。撮影所に通いながら、大道具や照明の仕事を手伝ったり、エキストラをしたりするようにもなった。そのうちに高校は、勉強に意味が見出せず中退。時期を同じくして実家も飛び出してしまう。