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「次は風が強い日に練習をしないといけない」

 時間にして30分程度であろうか。試合後の特守は終わった。真剣な表情をしていた選手たちに笑顔が戻った。1点ビハインドの9回に粘ってサヨナラ勝ちを掴んだ充実感がようやく漂った。そして次なる戦いに向けて準備を終えた達成感も感じられた。

「今日は風が1メートルか2メートル。弱い風の日の練習になった。次は風が強い日にしっかりとフライの練習をしないといけないね。風が強い日があったら、またやるよ」

 風速計を見つめながら鳥越コーチは口にした。ドームが主流のパ・リーグにおいて野外のZOZOマリンスタジアムを本拠地に置く千葉ロッテマリーンズはこの球場の特性をしっかりと知っておく必要がある。風の流れ、特徴をしっかりと把握すれば大きなホームアドバンテージとなる。昨年はビジターでは32勝38敗2分けも、ホームでは37勝32敗2分け。チーム防御率はホームで3.61。ビジターだと4.20。分はあるがまだまだ伸ばせる余地はある。昨年、リーグ優勝の埼玉西武ライオンズがホームで43勝29敗、2位から日本一に上り詰めた福岡ソフトバンクホークスが42勝27敗3分け。いかにホームで絶対的優位に試合を進めることが優勝への近道であるかが良く分かる。

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©千葉ロッテマリーンズ

 まだシーズンは始まったばかりだが、千葉ロッテマリーンズは順調に歩を進めている。開幕カードで昨年の日本一チームを敵地PayPayドームで2勝1敗と撃破。その後、勝ち星を伸ばしている。6月25日には2016年4月17日以来、1530日ぶりとなる単独首位に立った。チーム内に流れる雰囲気も最高だ。あとはホームアドバンテージをしっかりと確保し、地道に前に進みたい。その先に1974年以来となる年間1位でのリーグ優勝が待っている。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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