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 たとえば東京都知事選に立候補している小池百合子氏は「東京大改革2.0」を掲げているが、私はこの「大改革」というのがよくわからない。「改革」で十分ではないか?

 皮肉を言うなら何も改革をしてこなかったから「大改革」なのだろう。それはただの言葉の無駄遣いであり空虚になるだけ。そんなことも今回のダーウィン誤用例の件から考えたのである。

 ちなみにNHK「100分de名著」が「種の起源」回の再放送を発表。 ツイッターは盛り上がった。これはNHKの進化だろうか。

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小池百合子氏 ©︎文藝春秋

官邸SNS運営を担うのは誰か?

 では実際、自民党の情報発信はどうおこなわれているのか。読売新聞が5月27日に興味深い記事を書いていた。

《安倍内閣の情報発信のやり方には定評がある。内閣広報室のSNS班に20~30歳代を主体に約10人を配し、特に内閣支持率や自民党支持率の高い若年層に訴求力のある手法も取り入れた。》

 昨年7月3日の朝日新聞には、

《官邸のSNS運営は、民間企業からの出向も含む内閣広報室の20代、30代の若手職員約10人らが担う。首相や官邸がSNSに力を入れるのは、支持層固めを意識するためだ。》

 注目したいのは「民間企業からの出向」という部分。どこなんでしょう?

通常国会が閉幕、記者会見に臨む安倍晋三首相 ©︎AFLO

 読売の記事に戻ると、官邸の情報発信がコロナ禍では「国民の感覚とどこかずれた発信を繰り返し、痛手をこうむった」。その例として「アベノマスク」と「星野源動画コラボ」を挙げている。

《「若者に受けますよ」。首相秘書官の一人がそう言って、安倍に持ちかけたものだ。》というが、《安倍の「優雅な週末」の様子は、休業や自宅待機で先の見えない生活にいらだつ多くの人々の神経を逆なでした。》(読売・5月27日)

 そういえばアベノマスクも「全国民に布マスクを配れば、不安はパッと消えますから」と官邸官僚が提案したと言われる。同一人物説もある。読売のタイトルは「読めぬ民意 発信不発」であった。

 記事の最後は首相が側近に言ったとされる言葉で終わっている。

「世の中の声が官邸に伝わりにくくなっている。真剣に反省しないといけない」

 これまでイケイケだった情報発信が今年は不発が多い。ここから何が見えるのか。官邸官僚など限られた側近の言葉しか入らない安倍一強の意外なモロさか?

 それにしても「若者に受けますよ」とか「不安はパッと消えますから」とか、なんだかなぁ。

 ここ最近の政治とSNSについて振り返ってたら、言葉の軽さに気がついたのである。