1週間でシステムを構築!
有働 全国調査をする一方で、各地域の公式アカウント「新型コロナ対策パーソナルサポート」(現在18の地域で実施)に友だち登録をすると、利用者の状況に合わせて、医療機関を受診するタイミングなどを通知したり、個別に相談できるサポートもされていますね。
宮田 はい。新型コロナの感染者が呈する症状は刻一刻と変わるので、最新情報を得るのはとても難しい。情報を1カ所に集約して更新し、一人ひとりに寄り添ったサポートをすることも大きな目的の一つでした。
有働 システムはいつから構想していたんですか。
宮田 着手し始めたのは2月末です。最初は3月半ばまでにできれば良いかなと考えていたんですが、3月頭に学校の一斉休校が決まって、このままでは間に合わないと1週間で作り上げました。開発したメンバーの過半数とは、まだ会ったこともないんですよ。
有働 たった1週間で!?
宮田 はい。膨大なデータを保管するスペースを確保するため、AMAZONに声をかけたところ、即座に快諾してくれました。今回、AMAZONもLINEも無償で協力してくれており、深く感謝しています。
有働 巨大企業なのに、そんなに意思決定が速いんですね。
宮田 彼らは社会に信頼されるためにどういう仕事をすべきなのかを常に考えて実践しています。信頼こそ次の社会のキーワードということを強く認識していると思います。
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宮田さんは「文藝春秋」7月号および「文藝春秋 電子版」掲載の「コロナLINE調査で見えたこと」で、これからの時代は、「データ監視社会」ではなく「データを共有財として使う社会」を目指すべきと指摘。さらに、現金給付だけではない「マイナンバーカード」の活用法、新型コロナウイルスにたとえBCGワクチンが予防的な効果を持っていたとしても、大人に投与すべきではない理由などについて語っている。
理想を語る夢想家でも、他者の批判をする批評家でもなく、実際に手を動かして行動する「実践の人」の未来への提言は、実に示唆に富んでいた。
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コロナLINE調査で見えたこと