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どこか諦めているようなパンダ

「木に登ったときは要注目。高確率でかわいいハプニングが起こります」(小澤さん)

 パンダのことは好きというより、尊敬しています。

 人間とは真逆のメンタルは憧れでしかない。

 例えば、パンダは木登りは得意でも下りるのが苦手。かなりの確率で、途中でドテッと落ちてしまう。

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 その落ち方が「もういいや、落ちちゃえ!」って感じで、どこか諦めているように見えるんです。

ヤバッ! うまく下りられない! 「ハプニングの予感がします。うまく下りられず、転がり落ちてしまうかも……」(小澤さん)

 こうした“なるようになるさ”みたいな気の持ちようを、僕は勝手に“パンダメンタル”と呼んでいます。

 パンダの気持ちでいれば、イラッとしない。その所作を真似するだけでも気分がよくなるから不思議です。

石に腰掛ける後ろ姿は、職場の人間関係に悩んでいる人のよう。「哀愁の漂う姿がたまりません」(小澤さん)
「人前でグターッとできるような、空気を読まない自由な感じがスゴいし、心底羨ましいです」(小澤さん)

 くちゃくちゃと音を立てながら笹を食べるように、僕も棒切れのようなもので真似してやってみる。

 四つ足で不恰好に走ってみる。僕はできることならパンダになりたい。

なにげないしぐさが人間らしい。「まさか、うそ泣きをしてる!?」(小澤さん)

 パンダになって自由に生きられたら最高です。

◆小澤さんのパンダ愛が詰まった写真集

左から:『ADVENTURE WORLD PANDAS ハロー 彩浜とパンダファミリー』(エムピージェー) 1,500円 『HELLO LITTLE アドベンチャー ワールドで生まれたあかちゃんパンダの奇跡』(徳間書店) 2,700円。

小澤千一朗(おざわ せんいちろう)さん
ライター・編集者。スケートボードマガジン『Sb Skateboard Journal』を定期刊行。近著ADVENTURE WORLD PANDAS ハロー 彩浜とパンダファミリー』など、パンダの写真集やDVDも手がけている。

写真=Kenji Nakata、Masaru Tatsuki

記事提供:CREA WEB