上野動物園が新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月29日より臨時休園してから約3ヶ月。同園の人気者ジャイアントパンダの親子は、この休園期間を一体どう過ごしていたのだろうか。 

 気になるパンダたちの様子を、上野動物園の教育普及課教育普及係 佐藤恵さんにうかがった。 

臨時休園中も元気に過ごすシャンシャン 。4月13日撮影 ©(公財)東京動物園協会

いまのパンダたちの様子は? 

 上野動物園は緊急事態宣言が解除された取材時(5/27)も、いまだ臨時休園を継続中。2020年12月末までに中国へ返還予定のシャンシャンは、6月12日に3歳の誕生日を迎える。それまでには開園して欲しいところだが、肝心のパンダたちの様子はどうだろうか。 

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「現在のジャイアントパンダたちは、基本的には臨時休園前と変わらない生活をしています」と佐藤さん。 

マイペースに過ごすリーリー  ©(公財)東京動物園協会

「休園中、リーリーとシンシンは繁殖の関係で、隣同士のA、Bの屋外放飼場に、シャンシャンは、観覧入口の近くにある屋外放飼場Dにいました。健康管理上の理由から、4月6日以降は、放飼場の使い方を変更し、シャンシャンは屋外放飼場Aも利用するようになりました。屋外放飼場Aでは、シャンシャンは、やぐらに登ったり、水浴びをしたり、パンダ本来の動きを見せて活発に過ごしています」 

 同園には6つの屋外放飼場と5つの屋内展示室があり、暑くなる前のこの時期は夜間屋内で過ごしたパンダたちは開園時間になると、屋外放飼場に移動して日中を過ごす。これは臨時休園中も変わらなかったようだ。 

「あとはいつも通り、食べたり休んだりしています。ジャイアントパンダは、主食である竹の消化率が低いため、無駄な動きをしません。観覧に行ったら、ずっと寝てるだけだったという話をよく聞きますが、これがパンダの本来の姿なのです」 

 寝ているからと嘆くことなかれ、それがパンダの自然な姿なのだ。 

シンシン妊娠の可能性は?

 一般的にジャイアントパンダの繁殖期は年に1回、2月から5月の間の2、3日だけ。ちょうど臨時休園中に繁殖期を迎えた、リーリーとシンシンの様子はどうだったのだろう。 

 ©(公財)東京動物園協会