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 大きくなったシャンシャンにも、まだ子パンダならではの特徴があるのだという。

「シャンシャンは、木のまたに座って寝ることがあります。これは大人のパンダには、あまり見られない行動です。木の上で過ごす時間は、子どもの方が多いのです」 

2020年6月12日に3歳になるシャンシャン©(公財)東京動物園協会

 野生では木に登るのは、幼いパンダが天敵から身を守るための行動だという。ジャイアントパンダは木登りが得意だが、降りるのは苦手。以前同園で飼育されていたトントンが、木から下りられなくなって飼育員に救出されたというエピソードも残っている。

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上野動物園の竹事情

 大人のパンダには1頭につき、1日40から60キロほどの竹を与える。コロナ禍の中、カナダの動物園で食料の竹の確保がむずかしくなり、2頭のジャイアントパンダが、期間前倒しで中国へ帰ることになったという話があったが、3頭のパンダがいる上野動物園は大丈夫なのだろうか。 

「上野動物園では1週間に2回、伊豆から業者さんに竹を運んでもらっています。輸入しているわけではありませんので、足りなくなる心配はないですね。春先は若くてやわらかい竹が入ってきていて、パンダたちの食欲もアップする時期。シャンシャンには最近、1日に55キロほどの竹を与えるようになったと聞いています。

 そして、パンダたちはタケノコも大好き。シャンシャンは、むいた皮の部分までかじったりして、食べ方に戸惑っている様子でしたね」 

タケノコを食べるシャンシャン ©(公財)東京動物園協会

 同園では、パンダにモウソウ竹、真竹、篠竹の3種類にクマザサやヤダケをオプションで与えている。その中でもシャンシャンのお気に入りはクマザサ。離乳のあと、好んで食べていたのだという。 

「パンダ舎の裏にはモウソウ竹を植えてあります。他にも何種類かパンダが食べられる竹やササが植えてあります。パンダの竹の入手が困難な場合に備え、非常用に植えたと聞いていますが、最近はいい状態の竹が安定して手に入るので、使うことはないですね。春先に新芽のやわらかい部分をあげることもあります」 

 ジャイアントパンダはかなりグルメで、新鮮な竹しか食べないという。上野動物園では、専用の竹庫で竹を保存しているが、庫内の温度を5度に設定し、1日2回水を噴霧するなど、鮮度を落とさないように気を配っている。 

シャンシャンの誕生日はどうなるの? 

 そしてもう1つ気がかりなのが、6月12日に3歳になるシャンシャンの誕生日。こちらは公式ホームページで、「シャンシャン3歳記念企画」の実施が発表された。

 その内容は、ホームページがシャンシャン誕生日特別仕様になるほか、誕生日記念のオリジナルグッズの通信販売や、シャンシャンの成長を振り返るスペシャルムービー、動画を公開。さらに、特製壁紙プレゼントなど盛りだくさんの内容だ。

みんなのぬり絵でツイッターを盛り上げるハッシュタグ、「#シャンシャン3歳おめでとう」などもあり、現地に行かずともシャンシャンの誕生日をお祝いできる内容となっている。

 ©(公財)東京動物園協会