「オスのリーリーには、昨年11月から繁殖期特有の行動が見られていたのですが、メスのシンシンに発情の兆候が今のところ見られていません」
海外では、ロックダウンの影響で臨時休園していた香港海洋公園で、10年間交尾を避けてきたインインとリーリーが、ついに交尾したというおめでたいニュースがあった。しかし同園のパンダにはあまり関係がなかったようだ。
ツイートを発信した園長の思い
パンダたちの様子はツイッターでも知ることができる。同園は臨時休園中も、公式ツイッターのツイートに「#休園中の動物園水族館」や「#おうちzoo」というハッシュタグを付け、さまざまな動物の様子を伝えているのだ。中でも、パンダたちにスポットを当てたハッシュタグ、「#デイパン」は、その日のパンダたちの様子をリアルに知ることができる。
出勤するスタッフの人数が制限している今、こうして積極的にツイートを始めたのには、“動物たちの様子を、もっと積極的に発信したい”という福田豊園長の思いがあったからだという。
「#デイパン」を開始した3月2日には、園長自らがカメラを持ち、ジャイアントパンダやアシカ、ハシビロコウなどを撮影。あいにくの雨の中、撮影時に傘を飛ばされても、熱心に撮影を続ける園長の姿が、アシカプールのガラスに映り込んでいる。
「園長の思いの原点は、2011年の東日本大震災です。この時、当園は3月17日から31日までの15日間休園しました。再開園した時、来園されたお客様のうれしそうな様子を見て、園長は、“動物園には、人を和ませるという大事な役割がある”と感じたのだそうです。その経験があるので、今回も動物園からの発信を大事にしているのです」と佐藤さん。
同園では、このツイートの他に、YouTubeチャンネルでムービーの配信も行っている。動物園に行けない私たちに動物たちの様子を伝えるために、忙しい合間をぬって情報を発信してくれているのだ。
「#デイパン」を発信しているのは
動物たちの自然な様子に、筆者はてっきり担当飼育職員が撮影していると考えていた。しかし、現在ツイートを担当しているのは、ふだん園内のガイドツアー等を担当している動物解説員なのだという。
「動物解説員の人たちは、いろいろな動物にとても詳しいのです」と佐藤さん。動物たちのことをわかりやすく伝える専門のスタッフだけあって、ツイートの内容も勉強になるものが多い。現在は出勤人数を制限している関係もあり、3名の動物解説員が交代でツイートをしているのだそう。
「ジャイアントパンダを直接見ていただくことのできない現在、できるだけその日のリアルな様子をお伝えするようにしています。ジャイアントパンダはとてもよく寝る動物です。体もやわらかいので、いろいろな格好で寝ています。アクティブに動いている方が、動画などでは映えるのでしょうが、そんな自然な様子も伝えたいと思ってツイートしています」
「中国の高山の森という生息環境に合ったジャイアントパ