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パンダ舎への引っ越しも延期に 

 同園に建設中の新しいジャイアントパンダ展示施設「パンダのふるさとゾーン(仮称)」も、新型コロナウイルス感染症などの影響で完成予定が3月から6月にずれ込んでいる。こちらへの引っ越しは、どうなるのだろうか。

「建物などの工事が順次完了していますが、施設全体では、6月末の完了を目指して工事を進めています。パンダの引っ越しを行うためには、工事完了後に中国の専門家が来日して行う検収(検査)を受け、合格をいただく必要があります。しかし、新型コロナウイルスの影響から、来日の時期が未定であり、引っ越しについても未定となっています」

「パンダのふるさとゾーン(仮称)」は、西園の旧子ども動物園跡地に整備中。ジャイアントパンダの生息地である中国四川省の環境を再現し、エリア全体にレッサーパンダなど生息域の重なる動物たちも展示する予定だ。
 

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「パンダのふるさとゾーン(仮称)」完成予想図(観覧風景)©東京都提供

「新しい展示施設では来園者の方々に、野生のジャイアントパンダの暮らしに思いをはせていただきたい。ただかわいいというだけではなく一歩踏み込んで、動物と共生できる環境などにも、関心をもってもらえればと考えています」と佐藤さん。 

 屋外展示では、ガラスが一部低くなっていて、ガラスなしでパンダを見られる場所もあるそうだ。本来の生息地に近い、起伏に富んだ運動場でパンダたちが、どんな姿を見せてくれるのか楽しみだ。 

再開園を心待ちにする来場者へのメッセージ

 最後に再開園を心待ちにする来場者へのメッセージをうかがった。 

「臨時休園中は、動物のことを心配し、会いたいと思ってくださるお客様に感謝しながら、SNSなどで情報を発信しています。再開園後も感染防止の観点から、どんどん来てくださいとは言えないかもしれません。でも、落ち着いたら上野動物園に来ることを楽しみにしていただければと思います」と佐藤さん。 

 コロナ前と変わらずゆったりとした時間が流れる動物園。私たちが、ジャイアントパンダに会える日はもうすぐのはずだ。 

公式ツイッターよりシャンシャンの「パンちら」。元気なパンダたちに早く会いたい ©(公財)東京動物園協会