文春オンライン

タクシー運転手からタメ口とセクハラの数々「家に行っていい?」「結婚適齢期なのに」

理不尽だと感じたタクシー体験談 #2

2020/07/09
note

「ブスのくせに!」と罵声を

「適当にかわしていたら『お金を払うから、新しい愛人にならない?』と、愛人契約の交渉してきたんです。ふたりきりになってほんの10分くらいで、愛人契約を迫られるなんて誰も思わないですよね。驚いてすぐに断ったら『ブスのくせに!』と罵声を浴びせられました」(小島さん)

 自宅を知られるのは危険だと感じ、かなり手前でタクシーを降りたという。

「悪態をつかれたうえに運賃を払って、結局歩いて家まで帰るなんて、あまりにもバカバカしいですよね。こんな思いをするくらいならタクシーに乗りたくないと思って、職場の近くに引っ越しました」

ADVERTISEMENT

小島さん(仮名) ©真島加代/清談社

歌舞伎町界隈の独特な「タクシー事情」

 仮に最初に乗っていた男性を「彼氏」と伝えれば、事態は回避できたのだろうか。

「歌舞伎町界隈のタクシー事情は独特で、歌舞伎町を専門に流しているタクシーも多いんです。なかには『〇〇で働いている△△さんはここに住んでる』とか『この前、××さんが彼氏と一緒に乗ってきた』とか、歌舞伎町で有名な嬢やホストの情報を客に吹聴するドライバーが多いんですよね。あの時は、噂が広まる可能性を考えてしまってうかつなことは言えなかったんです」

 引越し後、タクシーにほとんど乗らなくなった小島さんは「タクシーに乗るときのストレスがなくなって、今は快適ですね」と話していた。

写真はイメージ ©iStock.com

 当然ながら、すべてのタクシードライバーが女性に横柄な態度を取り、性的な嫌がらせをするわけではもちろんない。しかし、こうした体験談の多くは“タクシーあるある”で済まされ、表沙汰になりにくいこともまた事実だろう。直接タクシー会社へ連絡を入れるという方法だけではなく、国や各自治体が運営する相談窓口や、苦情や要望を伝えることができる公益財団法人「タクシーセンター」なども存在する。

取材・文=真島加代/清談社

タクシー運転手からタメ口とセクハラの数々「家に行っていい?」「結婚適齢期なのに」

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー