「マスクをしたいけど、そうすると表情を見せられないから仕方ないですよ。お客さんだって好きな子に会いに来るのに、その子がマスクしていたら嫌じゃないですか。お客さんの方も、デザートを食べたり、ドリンクを飲んだりするからマスクしている訳にもいかない。
ちなみにこの店では、店長が『ここは魔法がかかって、2次元の空気の綺麗な世界だから大丈夫』って言ってます(笑)。私は正直なところ怖いな、というのが本音です。毎回、お店の裏でゴシゴシ手を洗ってます」
それでも、メイドカフェらしい独自の取り組みをする店舗もある。
「ウチの店では入店前に、『3次元の世界から2次元の世界に行く“おまじない”だよ』って言って、消毒用のアルコールを『魔法のお薬』としてお客さんの手に吹きかけています。あとは何もできないです。“濃厚接触”を避けろと言われても、我々はメイドなので頼まれたことをやらないと……」(メイドカフェ「B」・20代メイド)
「体調が悪そうな人には声を掛けない」
一方で、熱心に“ご主人様”をもてなしていたメイドからは、こんな声も聞こえてきた。
「換気扇をつけてるし、空気清浄機もあるし大丈夫だと思う。あとは、お散歩(客引き)で明らかに体調が悪そうな人には声を掛けないようにしています。テレビとか見ないし、正直コロナのことわかんない……どこまでヤバイの?」(メイドカフェ「C」・10代メイド)
メイドの少女たちを束ねる「C」のオーナーにも話を聞いた。
「メイドやお客にマスクをさせたり、サービスを抑えたらお客が来なくなります。どうしたものか、っていうのが本音です。大手の老舗店をみながら、『ここまでならまだ、やってもいいのかな?』って感じで足並みを揃えています。もちろん、お上がダメだっていったら逆らってまでしません。それまでは、我々もメイドたちも生活がありますし、店が潰れても誰も補償はしてくれないから、そのまま営業を続けるしかないんですよ」
メイドカフェからクラスターが発生しないことを祈りたい。