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 メイドたちの期待を背負った常連客は、記者に次のように語った。

「推しのメイドがツイッターで、『店が暇だ』とつぶやいていたので来てしまいました。最近は客が減って、多いときの3分の1くらいになっている。その分、自分が(メイドを)養うつもりで頑張って通ってます。だからシャンパンいれたり、ドリンクおごったり……毎回1万円くらいは使ってます」(メイドバー「C」常連客・30代男性)

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 別の常連客は、お気に入りのメイドが通う高校が新型コロナの感染拡大防止策で休校になり急遽出勤したため、無理を押して来店したという。

「推しの高校生のメイドさんが学校休みになったと聞いて遊びに来ました。『新規のお客がひけなくて6時間外にいる』って泣きつかれて……。かわいそうだなって思うので、しばらくは通おうと思います。本当は、昨日も仕事で徹夜だったから早く帰りたいんだけど(笑)」(コスプレカフェ「D」常連客・20代男性)

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「ここは魔法がかかってるから空気は綺麗」

 政府の専門家会議は3月2日、10代~30代の若者に対して、ライブハウス、カラオケボックス、自宅での飲み会など「閉鎖された人が密集する場所」を避けるよう求めた。

 メイドカフェの多くは、決して広くない雑居ビルの一室で営業されている。メイドはテーブルでゲームやクジ引きをしながら、手を握るなど直接の接触は原則ないが、客とできるだけ距離を詰めてコミュニケーションをとるのが仕事だ。

 ひとたび「ライブ」が店内で始まれば、部屋の照明が落とされ、常連客はペンライトを振りながら踊り、お目当てのメイドにコールを送る。歌うメイドたちは、客の一人一人にマイクを向けながら会場を盛り上げる。ライブハウスさながらの光景が繰り広げられる。

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 先述の通り、メイドはマスクもしておらず、客もマスクをしていない人が多い。それにはメイドカフェ特有の事情がある。メイドカフェ「A」の20代のメイドが打ち明ける。